太陽と月【神谷浩史】

兄貴。 ページ47

｢Aさんって何で櫻井さんの事孝宏兄さんって読んでるんですか？｣
『香菜ちゃん唐突だねぇ……うちの兄貴に性格が似てるんだよね。兄貴もトマト嫌いだし』

｢え、お兄さんいらっしゃるんですか！？｣
『あれ、言ってなかったっけ……？』
｢言われてないです！！｣

まじかぁ……

｢どんな人なんですか？｣
『ラノベ作家の田村琉偉琉偉(るい)って知ってる？その人』
｢本当ですか！？その人のラノベ今年映画化してるじゃないですか！｣
『そうなんだ……すげえなあいつ……』




｢Aー、久しぶりー｣
『噂をすれば影が射すって本当だよね……』
｢え、あ、田村琉偉琉偉(るい)さんですか？
始めまして花澤香菜って言います！Aさんにいつもお世話になっています！
折角なんですけどもう次の仕事があるのですいません失礼します！！｣

テンパってたなぁ
兄貴背ぇ高いもんねぇ。188だっけ？きもい｡


『で、兄貴何しに来たの？』

｢いや、俺の娘が結婚することになったから、報告までに……っていう建前で浩史くんに会いに｣
『ほんっと浩史の事気に入ってるよねぇ』
｢あの子すっげぇイケボじゃんか。
小さくて可愛いし滑舌めちゃくちゃ良いし｣

ゲイかよ。既婚者だよ。

｢まぁ今日はいないみたいだし、また今度呑みに誘うわ。じゃーな、仕事頑張れよー｣
『ういっす。兄貴もちゃんとアニメ化できるラノベ書いてくれよ！絶対主人公やったる！』
｢任しとき！｣

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