【募集企画】 君影荘日誌 〜小説〜

第8話…鳥兜 那岐 ページ9

ここは娯楽室。そこには3人が住む4階に自分の荷物とヴィヴィ、零を置いてきぼりにしてフラフラと娯楽室へ立ち寄った那岐がいた

那岐｢ふーん、ここが娯楽室ねぇ…。おや、ピアノ発見!!しかもスタインウェイとは素晴らしいじゃないか!!…そうだ。長期間弾かなかったら腕が鈍るし、弾こうかな｣

ピアノの蓋を上げて音が最大限聴こえるようにセッティングする

那岐｢まずは…指ならしに、リストの"ラ･カンパネッラ"でも弾こうか｣

ヴィヴィの注意もむなしく、彼は既に彼自身の世界へと入り込んでいた。


ﾀﾝ ﾀﾝ ﾀﾝ……


最初のメロディーが響く

それから次第に、左手、右手と、鳴り響く教会の鐘をイメージしたといわれている誰しもが聴いたことのあるメロディーが刻まれてゆく。


しかし＿＿＿


ここでとあるミスが発生していた。なんと彼は娯楽室の扉を閉め忘れ、ピアノの音がだだ漏れになっているのに気が付いていないのだ


曲は進む………。しかし、彼は気がついていない。


どうなるか…?


**余談だが、彼の実力ならピアニストになれたのが明白だ。
では何故、那岐はピアニストにならなかったのか、

理由は至極簡単。己に宿りし[能力]が原因だからだ。…本人はそれを無闇矢鱈に話したがらないみたいだが。

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