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第14話…鈴蘭 ページ15





僕の高校は、寮なんだ。もうすぐで二年目っていう時に、寮は火災に遭ってしまった。馴染みのあった、思い出の詰まった寮が、全焼してしまった。



僕は、少し悲しかったけど、そこまで引きずらなかった。皆も、結構あっさりとしていた。すぐに皆は、新たな住処を見つけ、ばらばらとその後を去って行った。



僕も、探して見つかった家はシェアハウスみたいなものだった。家賃も安いし、良いかな、と思って選んだ場所。僕の思い出の代わりになる家を選んだつもりだった。高校と同じぐらい、馴染みが有り思い出に成り替わる物を。



実際に行ってみた。見た目は、ごく普通の家。ここら辺ではあまり見ない大きさ位が、僕にとって驚いたことだった。僕にとって、初めて見る大きさだった。



入ってみると、手書きで『ようこそ!君影荘へ!』と、体育祭で横断幕に使うような布で書かれたものを、天井から吊るされていた。少し、縛っている縄が雑な所、手書き、という事に温もりを感じる。人の性格を表しているようで、そう感じてしまう。



「誰か、来てるんだろうかな……?」



小さく呟く。奥からは、綺麗なピアノの音色が流れていた。その音が、僕の耳の中へふわっと吸い込まれるように、入って行く。そのピアノの音色に、僕は、いつの間にか聞き入っていたみたいだ。プロの人が弾いているのかな?とても上手だなぁ……。



僕はしばらく誰かがが奏でる綺麗なピアノの音色を聞いていた。その後、管理人さんの言う通りにし、二階の202号室の部屋へと向かった。新築の香りが、僕の鼻をくすぐる。少し、胸が高鳴っている。こういうのは、高校の入学式以来だったなぁ……。



そんな事を考えながら、部屋に着いたようだ。部屋に入ると、綺麗な少し広めの部屋だった。



「高校の寮よりも、広い……。結構、自由に出来るかな。」



僕は小さく呟いて、窓から見える景色を、ずっと眺めていた。

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設定タグ:募集企画 , 君影荘日誌   
作品ジャンル:その他, オリジナル作品
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期末テスト前日8時半に寝る系女子暁。(プロフ) - 玲さん» どういたまして← (2016年5月7日 0時) (レス) id: 23b879a935 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 期末テスト前日8時半に寝る系女子暁。さん» ありがとうございました。 (2016年5月7日 0時) (レス) id: 34dd7aa040 (このIDを非表示/違反報告)
期末テスト前日8時半に寝る系女子暁。(プロフ) - 玲さん» 締め切ってると思いますよ…?、まぁ締め切ってなかったとしても過疎ってますし。 (2016年5月7日 0時) (レス) id: 23b879a935 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - これってもう締め切りましたか? (2016年5月7日 0時) (レス) id: 34dd7aa040 (このIDを非表示/違反報告)
暁@友達が少ない(プロフ) - ……?何故私のトコの作品の一部が変更され…;;(まあいいか(( (2015年12月24日 17時) (レス) id: 68eb77cdd0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:君影荘の住人たち | 作者ホームページ:   
作成日時:2015年11月29日 23時

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