【リレー小説】この無慈悲な世界に能力で希望を【第四章】 (ページ37)

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いますよ【神月いのり/ユウミ】ページ37

怜加さんたちが入ってきて、びっくりして思わず物陰に隠れてしまった。

元加さんが

「よろしい。それでは仲直りの握手。ああ、ちょっと待ちなさい！手を内出血させようとするんじゃないわよ！はあ…二人共笑顔、笑顔！ニコッ！」

とかなんとか言って二人を仲直りさせたようだ。

タイミング的に、出ようにも出られず困っていると天秋さんが激しく咳き込んだ。

発作かしら。

無事を確認するため、物陰から少しだけ顔を出すと

「触ら…ないで…」

たしか闇さんと言った人が天秋さんに銃口をむけていた。

「っ…」

私は、一瞬足がすくんだがすぐに物陰から飛び出して、闇さんを後ろから抱きしめて仰向けに倒れ込んだ。

「な…やめ、て！」

手早く銃を奪い取り、力いっぱい銃を握りしめ粉砕する。

私、こんな握力あったのね。

「離し…」

闇さんが強く抵抗する。あまり使いたくない手だけれど…。

「ごめんね」

短刀の柄で頭を殴り気絶させる。

「天秋さん。大丈夫？」

天秋さんの方をみると、辺りに血が点々とついている。

強い発作のようだ。

「とりあえず、これで血を拭って。まだ使っていないから清潔よ」

手ぬぐいをとりだし、天秋さんに渡す。

最も、発作は薬でもない限り止められないから私にできることはこの程度。

周りは、おそらく天秋さんが生やしたのであろう蔦で囲まれている。

「秋華、回復してあげて」

元はといえば回復蝶の秋華でも、持病までは直せやしない。

お医者さんかその類を呼びたいところだが、呼んだところで入ることが不可能。

…無謀だけれど斬ろうかしら。

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