【リレー小説】この無慈悲な世界に能力で希望を【第四章】 (ページ33)

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久し振り【瀬戸内帝華/蓮@雫3318】ページ33

なんだか居ても立っても居られなくなって、私は大樹の元へ走った。
すると、一人の女性がベンチに座っていた。
「…!」
久し振りに見たその姿に動揺する。
「…エールシア…」
エールシア･フォン･ウォールネット。
私の友人であり、ライバルであり、執着されており、私に勝ったことがない。
まあ、極端に言うと、もやし。←
そんなエールシアが、何故此処に?
「…?!帝華?!」
「そうよ貴方の大好きな帝華よ」
パアッと効果音が付きそうな笑顔を見せるエールシア。
表面上にこやかだが、隙があればエールシアは私の深層心理を覗こうとする。
まあ、失敗に終わるが、ね。
つまり、私とエールシアは、友達で、ライバルで、執着される側とする側と言うなんとも歪な関係なのだ。
私は微笑みながら
「貴方の胸の内は手に取るように分かるけど、私の心理を覗くのはまだ諦めてないのかしら?」
と、皮肉たっぷりなお返し…
けど、そろそろ虐めるのも詰まらないので笑う。
「なーんて!嘘よ嘘!!」
「…!やっぱりそうよね!私達、お友達だもの!」
「うん、そうね。嘘よ、半分は」
「えっ…?!」
ガーンと効果音がなっている。この子私より年上の癖に、ガキ臭いのよ。
その癖私が傷付けられたらめっちゃ怒るのも、面白い。なんか私の周りの人って大概過保護になるんだよね…
そして、隠れている人に声を掛ける
「出てきていいよ。無黒さん。」
びくり、と肩を震わせそろりと出てくる無黒さん。ああ、昔の面影が確かにある。
絶対、覚えていないだろうけど、
「行けなくて、ごめんなさい」
謝罪をする。此処まで追い詰めたのは、私だから、
「久し振り。エールシア、無黒さん。」
この二人を会わせた事によって、また面倒臭い事が起きそうと心の中で苦笑したのは秘密。