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54. そらるside ページ16

「は…?なに言ってやがんだ、当たり前だろ?」

一瞬驚いた様な顔をした後、肩を竦めてハッ、と笑う流夜。

余裕ぶってる様だが、表情の奥には焦り。

まふを床に下ろし、じっとして動かない流夜に歩み寄る。

「当たり前?何で?」

「何でって…」

突然の俺の言葉に戸惑ったのか、それから声が出てこないらしい流夜。

「流夜、さっきお前は『恨みが晴らせれば良い』って言ってたよな?」

きっと、俺は無表情だろう。

相方を傷つけられたという怒り。もう一つあるかもしれないけど、それは分からない。

「多分、流夜は誰か分からない人に恨みをぶつけようとしてるんだと思う。それに執着して」

「執、着?」

コクリと頷いて続ける。

「時雨の精神の一角なら、そんな事は意識がある限りはやらないと俺は思う。時雨は優しいからね、人を傷つける事に抵抗がある。そんな精神を流夜も持ってるんじゃない?」

ああ、分かった。もう一つの感情の正体。

流夜に、自分の気持ちに正直になって貰いたいと思ったからなんだ。

「俺の精神…?」

「精神というか感情。流夜は自分の気持ちに反抗してまで武器を振るった。本当の気持ちは…まあ分かんないかもだけど多分違うと思うよ」

そこで、強張ってた頬の筋肉が緩んで、安心させれる様な笑顔を作る事ができた。

「だから、自分の気持ちに正直になってみな。まあすぐできる事じゃないけど、継続していけばきっとできる。俺は、そう思うよ」

流夜の方にポン、と手を置くと震えて居た。

泣いているのだろう、その場にいる全員が黙りこくった“箱”の中で、流夜の流す涙が床に落ちる音だけが響いて居た。

ぱあっと光った流夜の体は、今まで出会った人格達と同じ様に徐々に消えていった。

「うっ…え、あ、え?」

言葉にならない声をあげた流夜を、宥める様に話しかける。

「成仏って呼んでんだ、俺達。よく原理は分かんないけど」

「成仏…俺、消えるのか?」

桃色の目を見開いた流夜に、俺は笑顔を作れているだろうか。

「消える…でも、存在は消えない。大丈夫。時雨の事は心配するな、お前の存在は死んでも忘れないだろうし、これからも俺らが見守る。安心しろ」

安心できる様な顔が、出来ているだろうか。

「本当、だな…約束な、絶対」

「ああ」

消えかかっている流夜の頭を撫でて思う。

もしも出来て居ないのなら。

俺は____

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いむいむ - 狐白さん» いつも嬉しいコメントありがとうございます!こちらも勇気付けられました! (12月17日 14時) (レス) id: dc78839770 (このIDを非表示/違反報告)
狐白 - あと、見捨てないです。いむいむさんに勇気づけられたから。内容も全然大丈夫ですよ!!頑張ってください!! (12月17日 0時) (レス) id: 4b6152b8a6 (このIDを非表示/違反報告)
狐白 - いむいむさん、語彙力少なくとも自分よりはあると思うので大丈夫ですよ!((ごめんなさい、自分なんかと比べるの失礼ですね (12月17日 0時) (レス) id: 4b6152b8a6 (このIDを非表示/違反報告)
いむいむ - 狐白さん» なので、勇気付けれて本望です! (12月5日 18時) (レス) id: 675fd3e6db (このIDを非表示/違反報告)
いむいむ - 狐白さん» ありがとうございます!私もたまに病んで自虐がちになるので、同じような人を助けてあげたいなって思いで作りました。 (12月5日 18時) (レス) id: 675fd3e6db (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いむいむ | 作成日時:2017年11月13日 12時

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