Angel of Death【雷堂メラ】

14話　生徒会はまだ居た様で ページ17

「何事だ？」


彼が去っていった直後、生徒会も者達も駆けつけてきた。
どうやら先程までビビッて座り込んだり走り回る生徒達の手助けをしていた様で。
お陰で何事も無かったかのように廊下には普段どおりの景色が広がっている。
YSPクラブの皆が流石生徒会と褒め称えそうになるほど。



「…君達には質問に答えてもらう…」



この騒ぎは一体何なのか。
なぜこの様に生徒が投げ出されて居たのか。
YSPクラブが風紀を乱すようなことをしたのか。

何を質問されても曖昧にしか答えなかった一同だが、最後の質問に対してはコレでもかと言うほど大きく横に首を振った。
流石に生徒会長も呆れたのか、その場を立ち去ろうとした。
その姿を見、一同はホッとする。
刹那、ふいに後ろから声が聞こえた。



「やぁやぁ、皆さんお揃いで」

「っ…」



その声に真っ先に反応したのは…生徒会長だった。
その他の生徒会の者は、その様な反応を見せず、ただ平然としている
YSPクラブ一同は首を傾げつつ、声のする方に顔を向ける。

白髪に黒メッシュの肩にかからない位の髪をたなびかせてこちらに歩いてくる、声の主。
見え隠れする目はニコニコと笑っている。
普通に感じの良さげな男の子。
笑顔か仏頂面かだけで第一印象がガラリと変わる事を知るYSP一同。
見た目が９割とは本当の事の様だ。



「フフッ…ラント君ちゃんと仕事してるんですね〜」

「…君に言われる筋合いは無い」

「あの…お二人はどういった関係で…?」



ムスッとして答えたがらない生徒会長をよそに、生徒会のピンク髪の方が代わりに口を開いた。

この笑顔の黒メッシュさん。
なんと生徒会の内の一人の様で。
生徒会は表情を表に出さない人が多いせいか、その様なイメージが定着していたため、斬新なキャラに一同絶句。



「あはは。ホント生徒会って堅苦しいですよね。もっと笑えばいいと思いますが」

「自分の所属を侮辱して楽しいか?」



この少しの会話だけで誰もが理解できる。
この二人、どこか合っていない…と。
性格はごもっとも。
生徒会長にはそれが許せないのだろう。
でも、なら生徒会長なのだから生徒会から追い出せばいい話ではないかと思うが、学園長と色々あり、追い出し不可能な状況に至っているそうで。
つまり故意で置いている訳ではない。と。

ピンク髪の方がお構いなしに全てをペラペラと明かす姿を、必死に止める生徒会長を見、嗚呼、実話だなと納得する一同であった。

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