転生したら幼児でした 2

53話 ページ10

「考えても、分からないものは分からないですよね。」

今私は狭い部屋の中に閉じ込められている。外部との通信手段もない。ここから脱出しようにも、外から鍵がかかっている。

「詰んでる…。」

─一時間後

何も無い。特に何かされるでもなく、私もなにかできるでも無く、暇すぎる。

「一人でしりとりでもしようか…。」

いす、すいか、かめら、らっきょ、ようふく、くるま、まないた、たこらいす、するめ、めす…


─それから更に三十分後

「…なんだか一人でしりとりするのも飽きてきたなぁ…。」

はぁ…。こういう暇な時の時間の潰し方、無いかなぁ…。あ、そうだ。寝よう。

私は机の上に突っ伏して、目を閉じた。机の上がひんやりしてるなぁ。あぁ、目を閉じるだけで不思議と眠くなってきた。まあ疲れてたからね。今なら別に何かできるわけでも無いんだし、寝ても大丈夫、だよね。Zzz…


─多分二時間後位

「おーい、起きて！」
そんな声がして私ははっとなって起き上がった。そこには知らない中年のおじさんと、金髪の可愛い女の子がいた。

「誰ですか、あなた達。」

中年の人は、

「あ、そうだよね！自己紹介！」

と言いながら、ポンッと手を打った。

「私は森鴎外。で、こっちの可愛い女の子がエリスちゃん。君は有川Aちゃんだよね？合ってる？」

この人、私の名前を知ってる…？でも、私横浜に知り合いなんて探偵社の皆とひなのちゃんとそのお母さんくらいしか…。

いや、他にも私の名前を知ってる方々が居られたな。

「ポートマフィアの方ですか…。」

別に私がご丁寧に教えて差し上げた訳では無いんですよ？勝手に調べたりしたんじゃないかな。

「お、そうだよ！大正解！私はポートマフィアの森鴎外さ。仕事が忙しくて来るの遅れちゃってごめんね。」

「リンタロー嘘でしょ。私にドレス着ろって言いながら追いかけ回してたくせに！」

「酷いよエリスちゃん！」

追いかけ、回す？ドレス着せるために？
幼女を…。

「私の中で今、あなたは『他所の幼女を拉致ってその上閉じ込め、放置したロリコン変態の中年』という位置付けなのですが、よろしいでしょうか。」

すると森さんは。

「酷いよAちゃん！」

と、叫んだ。

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