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まさかの再会 ページ4

「今回、僕は引率できなくてね」

Aが生き返ってから約一ヶ月。

Aは呪術師として、二度目の任務を受け取った。
なんでも、神奈川県川崎市の映画館で男子高校生三人が不審死を遂げたそうだ。
それは明らかに呪霊によって引き起こされたものだと判断され、任務が回ってきた。

その日はいつもより少し早めに起きて、緊張を紛らわすように体を動かしていた。

そして今、五条に連れられて廊下を歩いている。

「じゃあ今回の任務はあたし一人?」

大丈夫かな、と呟くAに五条は首を横に振った。

「安心して。信用できる後輩を呼んだから」

五条が信用できる、と言っているのだ。
腕は良いのだろう。

その後輩が待っているという部屋についた五条は重たそうなドアを開けた。
部屋の真ん中に、一人の男が立っていた。

きっちりとセットされた金髪。
すっと通った鼻筋。
見上げるほどの大きな背丈。
着こなされたスーツ。

Aはぽかん、と大きく口を開けたまま固まった。

「五条さん、五分遅刻です」
「メンゴメンゴ〜」
「………………な」

震える声がAの口からこぼれた。

その男はAを見下ろし、やはりか、と言いたげに頷いた。

「お久しぶりです。虎杖さん」
「なっ、七海さん!!?」

瞬時にAの脳内に一か月前の記憶が駆け巡る。

パン屋まで案内してくれた男性。
あのときはかけていなかった不思議な形のサングラスをかけている。
そしてなにより

「A、どうしたの? 耳真っ赤だよ?」
「なん、でもない!!」

一目惚れをした相手。

五条に指摘され、Aは慌てて両耳を手で覆った。


一度死んだ身だった。
たった一回道案内をしてもらっただけ。
もう会うことはないだろう。

そう思って、ようやく諦めることができたのに。


Aはじわじわと体の奥から湧き上がってくる熱に、思わずぐっと息を飲んだ。

まさか一目惚れ相手が呪術師で、引率として同じ任務に就くなんて想像もしていなかった。

脱サラ呪術師→←絆される



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(プロフ) - ハルヒさん» ハルヒさん、コメントありがとうございます!私もこの2人が大好きなんです〜!応援ありがとうございます!頑張ります!! (2021年1月13日 23時) (レス) id: 64b7ea7410 (このIDを非表示/違反報告)
ハルヒ(プロフ) - ヒェッ…ナナミン好きやからこの2人のカプ嬉しい…応援してます頑張ってください!!! (2021年1月13日 23時) (レス) id: 46554589d7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年1月6日 0時

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