名探偵の姉【名探偵コナン】 (ページ4)

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Ｆｉｌｅ２ページ4

２人が買い物に行ってから約１時間。彼女達といえば小五郎の探偵業の話で盛り上がっていた

「そこで逃げ出した犯人を俺が一本背負いで抑えたってわけだ！」

『まぁすごい！相変わらずお強いですね小五郎さん。今度私にも教えてくださいな』

「おお！任せとけ！」

大口で得意げに笑う小五郎。お調子者の小五郎と天然気質で褒め上手な彼女が揃えば、彼の気分も良くなるというもの

そこでガチャリとドアが開いた

「ただいま～。結構遅くなっちゃった」

「ただいま～！」

『おかえりなさい２人とも。結構買ったのね？大丈夫？』

買い物袋を２、３個持つ蘭に彼女は駆け寄る。持とうかと手を出すが蘭はブンブンと効果音がつきそうな勢いで首を振った

「ううん！大丈夫だから、優希さんはゆっくりしてて！とびっきり美味しいのを作ってビックリさせちゃうんだから！」

そう言ってにぱっと笑う蘭に彼女は目尻を下げて笑う

＿小さい時は包丁を持つだけで精一杯だったのに

蘭がまだ小さかった頃、母親がいなくなった蘭に、料理の仕方や家事を教えたのは彼女だ

小さな手で子供用包丁を握り、苦戦しながらなんとか野菜を切る姿を思い浮かべる。その頃に比べればなんとも頼もしくなったことだ

『ふふ、楽しみにしてるわね』

「うん！！」

上機嫌なまま台所へ向かう蘭を見送れば、彼女のとなりにコナンが来る。それに気づいた彼女は『あら』と声をこぼした

『お買い物お疲れ様。蘭ちゃんのお手伝いして偉いわ』

小さな子供をあやす様に頭を撫でる。実際コナンは子供の姿なのだが中身は１７歳の工藤新一である

不服そうな顔をする彼だが目の前に小五郎もいるためにぱっと笑みを浮かべた

「えへへ～。そうかな～」

『えぇ、とても偉いわ、良い子ね。そうだ、そんな良い子にはご褒美をあげなきゃね。ちょっと待ってて？』

「ご褒美？」

彼女は端に寄せてあったトランクケースを開ける。どこに入れたかと少し探した後一冊の本を取り出した

『これよ。はい、コナン君』

「？ありがとう」

手渡された本を見つめる。するとコナンは目を輝かせ、彼女と本を交互に何度もみた

キラキラした目でこちらを見つめるコナンに、彼女は微笑んだ

与えられた本は推理小説だ。それも、＂工藤優作＂が書いたもの。まだ未発売の新作である

『お父さんから貰ったの。一緒に読みましょ？』

「！！うん！！！」

２人はソファへと戻り、コナンを膝に乗せて本を読み始めた