名探偵の姉【名探偵コナン】 (ページ1)

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Ｐｒｏｌｏｇｕｅページ1

「もう、お父さんたらだらけて！まだ昼間よ？」

「あ～…？」

建物の２階、大通りに面する窓に毛利探偵事務所と書かれた部屋で、可愛らしい女の子がソファでだらける父に叱責する

机には無造作に広げられた新聞と、煙草の灰柄が詰まった灰皿。挙句にはまだ真新しい缶ビールが何本か置かれていた

「いいだろ別に～、今日は誰も来る予定はないんだしよぉ」

「ダメに決まってるでしょ！もし来たらどうするの！」

「へいへい…」

渋々といった様子で片付けを始める父親、毛利小五郎と、それを見張る娘、毛利蘭。その２人の様子を苦笑しながら眺める居候こと江戸川コナン

いつも通りの光景にいつもと違う日常が舞い込んでくる

＿コンコンッ

事務所の入り口である扉からノック音が鳴る。つまりお客が来たという事だ

娘の蘭は＂早く！＂と小五郎に顔を向ける。慌てて片付けを進める彼を横目に、彼女は返事をして扉を開けた

「はーい、どちら様……ッ！？！？」

それ以降の言葉が聞こえず、座っていたコナンがソファから顔を出す

「蘭姉ちゃん？どうした……ッ！？」

彼もまた、言葉を詰まらせ目を大きく開いた。２人の様子に、お客はクスリと笑う

透き通る様なスカイブルーの瞳。黒く艶やかな長い髪。スラリとした理想の身体。白く陶器の様な肌。極め付けは工藤新一とよく似たその顔立ち

『久しぶりね』

「…うそ……？」

＿オイオイ…聞いてねぇぞ…

『元気にしてた？蘭ちゃん』

「ッ優希さん…！！」

誰もが羨むその美貌を持つ彼女

その名は＂工藤優希＂

＿姉さんが帰ってきてるなんて…！！

工藤家長女にして工藤新一の姉である