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教卓の隅で上がっていた小さい煙。
それを押し潰して消火させた先生の目が何を見ていたのか、なんて。
そんな野暮なことを考えて、やめた。
これ以上、泣きそうになることを自分から考えてはいけない。
「…さて、問題です渚君」
場の雰囲気を仕切り直すように、渚君に語りかけた先生。
そんな先生をぼんやり見つめる。
「先生は殺される気などみじんもない。
皆さんと3月までエンジョイしてから地球を爆破です。
それが嫌なら、君達はどうしますか？」
先生からの投げられた問い。
視線を目の前の先生から隣の渚君に移す。
渚君は少し考えて、それから先生の目をしっかり見て、挑戦的な表情でこう答えた。
「その前に先生を殺します」と。
その返答は、先生が望んでいたものだったようで。
嬉しそうに、けれど緑と黄色の縞模様を浮かび上がらせながら言った。
「ならば今殺ってみなさい。
殺せた者から今日は帰って良、にゅやーッ!!」
ナメた先生がかっこよくキメるのを邪魔したのは私。
別にナメた顔に煽られた訳ではない。決して。
先生が教室全体を見回したタイミングを狙えば、案の定慌ててくれた先生に思わず口角が上がる。
だけど、正直それどころではないのだ。
だって、先生の奥に見えた時計が。
「何するんですか成瀬さん!!」
かっこよくキメたかったのに！と若干キレかけている先生は半泣き状態。
その顔は少し、いやそこそこイラつかせるもので、私はム、と唇を突き出した。
『でも当たりませんでした』
「当たり前です！
大口叩いといてさっさと殺られたらお話にならないじゃないですか!!」
プンスコと怒っている先生と、呆然としている皆。
さっきの今で、躊躇いもなく銃で先生を撃った私をチャレンジャーだと思ってくれているんだろうか。
でも私はチャレンジャーでもなんでもなく、ただ早く帰りたいだけなのだ。
『私、短歌作ったから本当ならもう帰れるんですよ。
なのに、殺せた者から帰って良しって、そんなの…』
『スーパーのタイムセール間に合わないじゃないですか!!』
「いや理由しょーもな!?」
突っ込んできた前原君に『うるさいチャラ男！』と叫べば、「成瀬オレにだけ当たりキツくね!?」とキレ返された。
私の言葉でハッとしたのは磯貝君。
「そうだった…今日は卵1パック98円…」
『それに加えて豚こまも1パック316円だよ磯貝君…』
ユラユラと二人で拳銃を構えて、それから。
『はよ帰らせろやこのタコーっ!!』
感情任せに引き金を引いた。
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紅奈虹夢＠虹茶(プロフ) - とっても面白いです！ (12月26日 11時) (
レス) id: 763d4d21f9 (このIDを非表示/違反報告)
甘茶(プロフ) - みの字さん» 返信が遅くなってしまい、申し訳ありません💦そう言っていただけて嬉しいです。ありがとうございます！ (2022年11月29日 14時) (レス) id: 720e88b2d3 (このIDを非表示/違反報告)
みの字(プロフ) - とても読み応えがあってすごく面白いです！！BIGLOVE... (2022年9月3日 15時) (レス) id: e0f77146da (このIDを非表示/違反報告)
リース(プロフ) - そうなんですね！楽しみに待ってます！ (2021年4月28日 19時) (レス) id: 6559b789f7 (このIDを非表示/違反報告)
甘茶(プロフ) - リースさん» そう言って頂けて嬉しいです！大変申し訳ありません、続編は修正が完了していない為パスワードを掛けさせて頂いております。修正が完了次第公開しますので、今しばらくお待ちください。 (2021年4月27日 19時) (レス) id: f9e6e07d35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘茶 | 作成日時：2018年7月6日 15時
