6 ページ7
その日の放課後。
帰り支度をしていたAは、教室の戸口から自分を呼ぶ声に気付き顔を上げる。
呼んでいたのはクラスメイトの男子で、側には彼の友人と思しき男子生徒が立っていた。
「なぁに？」
男子「コイツ、隣のクラスで俺のダチの吉田って言うんだけど、柴田と連絡先交換したいんだって。」
「別にいいけど。」
Aは携帯を取り出し自分のアドレスを表示すると、吉田に差し出す。
吉田は携帯を受け取ると、自分の携帯に打ち込み始めた。
それを眺めていたAは、横でクラスメイトがニヤついているのに気が付き首を傾げる。
「なんで笑ってんの？」
男子「いやぁ〜、別に？」
大寿「オイ。」
廊下に目を向けると、不機嫌そうな大寿が三人を見下ろしていた。
Aは嬉しそうに笑うと、ちょっと待ってと言って自分の机に戻り、半端になっていた帰り支度を済ませる。
鞄を持ち戸口に戻ると、終わったかと吉田に尋ねる。
彼が頷くと携帯を受け取り送っておくよう告げ、二人に挨拶をして廊下に出た。
壁に背を預けていた大寿は、Aが出てきたのを確認すると歩き始める。
Aは大寿の隣を歩き、授業中校庭に彼を見つけたという事を話す。
大寿は返事をしないだけなのか、あるいは聞いていないのか。
恐らく前者であるが、Aは気にせず今日の出来事を話していた。
大寿「さっきのヤツ、お前の携帯で何やってたんだ？」
「なんか連絡先交換したいって言われたから教えた。え、なに！？ヤキモチ！？」
Aが嬉しそうに大寿の顔を覗き込むと、彼は変わらぬ表情でAの額を指で弾く。
「痛っ！痕になったら責任取ってよね！」
大寿「それぐらいで痕になんねぇよ。」
大寿が鼻で笑うと、Aは口を尖らせた。
＿＿＿＿＿
ある日、Aが下校しようと下駄箱に上履きを仕舞っていると、横から声をかけられた。
振り向くと、先日連絡先を交換した吉田が立っていた。
吉田「今日は柴くん一緒じゃないの？」
「うん、今日は用事があるって早く帰っちゃった。」
吉田「じゃあ…一緒に帰らない？」
Aが頷くと、彼は嬉しそうに笑って自分の靴を下ろした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 876人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
子持ちししゃも(プロフ) - ムーンさん» コメントありがとうございます！もうすぐ完結なので、是非最後までよろしくお願いします🙏 (5月22日 15時) (
レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
ムーン(プロフ) - きゃー🥰大寿といよいよですね、ドキドキワクワク🤣 (5月22日 8時) (レス) @page50 id: 899026d120 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(元シオン)(プロフ) - あの場面！！だいじゅが倒された場面やぁ…タカチャンがやられる前に気絶させるのは見させたくなかったとはわかる。 (5月11日 9時) (レス) @page45 id: aaf368f7e9 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(元シオン)(プロフ) - 教会からの物音って……まさか、タカチャン達が……これは夢主がハラハラしてしまう (5月9日 17時) (レス) @page44 id: aaf368f7e9 (このIDを非表示/違反報告)
子持ちししゃも(プロフ) - 鈴桜(元シオン)さん» いつもコメントありがとうございます🤭教会の場面は、この作品を書き始める時からイメージしてたので早く載せたいです！ (4月22日 10時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：子持ちししゃも | 作成日時：2022年5月7日 16時
