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九井はそう言って、手に持っているケーキ箱を差し出す。
大寿は箱を受け取ると、彼らしい言葉で感謝を述べた。
「これから大寿君ちで映画観るんだけど、ココ君達も来る？」
Aの言葉に二人はドキリとし、大寿にチラリと目を向ける。
大寿の眉間にはいつも通り＿＿いや、いつもよりも少し濃いめに皺が寄っていた。
九井「あー…俺達これから行くトコあんだよ。」
「ふーん、そっか。じゃあ仕方ないね。」
乾「悪いな。じゃあボス、失礼します。」
二人は大寿に頭を下げると、踵を返しその場を後にした。
再び二人きりになると、大寿は無言で歩を進める。
スピードは先程よりも早く、Aは焦り小走りで彼を追いかけた。
「大寿君待ってよ、早いよ。」
Aが声をかけるが、彼は速度を緩める気はないらしい。
Aは仕方なく、大寿の腕を引いた。
「ねぇってば！早い！」
大寿「あ？」
振り返った大寿は、どこか不機嫌そうな顔をしていた。
「何怒ってんの？」
大寿「ハッ。俺が怒ってる？どこが？」
「ここ、こーんなになってるよ。」
Aは自身の眉間に指を当てると、グッと皺を寄せる。
大寿は表情を少し和らげると、Aの眉間に作られた皺を親指で伸ばした。
大寿「…跡が付くぞ。」
「地味に痛い。このまま行ったら顔が半分に裂けそう。」
大寿「んなわけねぇだろ。」
大寿は鼻で笑い、再び歩き始める。
だがその速度は先程とは違い、いつものようにAが無理なく並べるものだった。
家に着き、大寿はDVDケースを三枚並べると、どれが良いかとAに尋ねる。
ケースのパッケージは真っ白で、中身がわからない仕様になっていた。
「真っ白でどれが何かわからないよ。」
大寿「どれを選んでも満足のいくやつだ。」
「じゃあ……コレ？」
Aが真ん中のケースを手に取ると、大寿は中のディスクをデッキに入れる。
モニターがタイトル画面に切り替わると、Aは頬を引きつらせた。
「なんでチャッキー！？他は…」
Aはケースを開け、他のディスクを確認する。
「エク○シストにリ○グ…」
大寿「この中で一番のオススメを引いたんだ。褒めてやる。」
「褒められてるのに嬉しくない…」
Aは無表情で、先程九井に貰ったケーキの箱を開ける。
中には苺がたっぷりと乗ったタルトとモンブラン、チョコレートケーキ、ショートケーキが入っていた。
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子持ちししゃも(プロフ) - ムーンさん» コメントありがとうございます！もうすぐ完結なので、是非最後までよろしくお願いします🙏 (5月22日 15時) (
レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
ムーン(プロフ) - きゃー🥰大寿といよいよですね、ドキドキワクワク🤣 (5月22日 8時) (レス) @page50 id: 899026d120 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(元シオン)(プロフ) - あの場面！！だいじゅが倒された場面やぁ…タカチャンがやられる前に気絶させるのは見させたくなかったとはわかる。 (5月11日 9時) (レス) @page45 id: aaf368f7e9 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(元シオン)(プロフ) - 教会からの物音って……まさか、タカチャン達が……これは夢主がハラハラしてしまう (5月9日 17時) (レス) @page44 id: aaf368f7e9 (このIDを非表示/違反報告)
子持ちししゃも(プロフ) - 鈴桜(元シオン)さん» いつもコメントありがとうございます🤭教会の場面は、この作品を書き始める時からイメージしてたので早く載せたいです！ (4月22日 10時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：子持ちししゃも | 作成日時：2022年5月7日 16時
