We'll be alright!! (ページ33)

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You ページ33

「本当に一度だけチャンスをくれるなら～」
ゲームが全部終わってもスングァンは粘った。並べてある食料を全部持って帰るつもりだろう。ふっくらした頬を更にぷくぷくさせて制作陣にねだる姿が可愛いから見守っていると、いつの間にか14人全員で新年の挨拶をしていた。どんな流れだ。
「あけましておめでとうございます～」
愛嬌とは違う気がするけど、まぁこれでチャンスが貰えるならいいか。
冷酷PDからお許しが出て、俺達が指名した男性スタッフと腕相撲をすることになった。
「クプスヒョン！」
「Aヒョンでしょ！」
弟達から俺とスンチョルの名前が同時にあがる。
「ヒョン達って本当はどっちが強いの？」
「テコンドーと截拳道か。異種格闘技戦だな」
ミンギュとソクミンが腕を組んで俺達を眺めた。
「俺とクプスが戦ってどうするよ」
「俺だって嫌だよ。怪我したくない」
生憎俺もスンチョルも平和主義者なもので、メンバーと本気で喧嘩したことはない。本気でやれば怪我人が出るだろうし、年長と言うだけで毛嫌いされがちな俺達が取っ組み合いなんてしようものなら、可愛い弟達は更に寄り付いてくれなくなるだろう。そんなのは悲しすぎる。俺もスンチョルも誰より構いたがりなのに。
ジョンハンとジスがスンチョル優勢を主張し、マンネラインが俺の肩を持ち始め、謎の言い争いが始まりかけたから止めに入った。
「エスクプスがやります」
「え、俺でいいの？」
「勝ったら夕飯あり。ついでにミンギュのも」
「ヒョン！！！！」
大喜びしたミンギュにタックルされて、危うく首を持ってかれるところだった。この大型犬は力加減ってものを知らない。ウォヌにきちんと躾しろって言っとかないとなぁ。

腕相撲はスンチョルの圧勝で幕を閉じた。相手をしてくれたスタッフにお礼を言い、俺達は残りの食料の殆どを頂くことにした。
「さすがだねゴリラ君」
「ゴリラじゃねぇっす」
冗談を言いながらも頭を雑に撫でてやると、スンチョルは気恥ずかしそうに歯茎を出して笑った。たまには兄ちゃんらしく褒めてやらないとね。
「ご褒美は何かな。やっぱりバナナがいいかな？」
「ヒョンいい加減ゴリラ設定忘れて」
「バナナはないけど海苔マスクどうぞ～」
「おいその海苔で自慢の喉詰まらせてやるからちょっと来いブスングァンッ」
「嫌ですよんっ！」
スンチョルとスングァンが追いかけっこを始めたところで波止場での食料購入ゲームはお開きとなり、俺達は各自食材を持って宿へと帰ることにした。