武装探偵社 ページ5
1、
「……と言う訳でして……」
異能特務課で聞いてきた話を国木田にし、敦は国木田の顔色をチラリと窺った。国木田は珍しく、思案顔で唸っていた。
いつも即決で物事を決める国木田もまさか本物でないが、部下が国際テロ組織に関わっていたとなると、しかも首魁に。
流石の国木田も青ざめていた。ごめんなさい。国木田さん。
歩き回り、手を顎に当て、やがて、意を決したように社長室のドアを開け放った。
ドアの向こうには、社長の福沢と乱歩さんが立っていた。敦は癖で立ち上がり、芥川は口に林檎が入るくらい口を開けていた。
「あばっ! 社長にらっ乱歩さん‼︎こんなところに立っていないで座って下さい‼︎」
社長と乱歩さんはいつも一緒にいる訳ではない。
ましてや乱歩さんは極度の面倒臭がりやで、社長の言いつけか興味がなければ事件などを調査しない。
しかも自分で自分のことを日本の宝と言い張る。そんな人が自分達の為に外で待っていたと思うと、少し申し訳ない。まあ、興味があるか、社長の言いつけか。敦は聞いてみた。
「あのう、乱歩さんは、この事件に興味はありますか?」
「ある」
「ヘエッ↑!」
「だってそのテロリストは僕のお気に入りの菓子工場を破壊した! そして菓子の供給が三ヶ月止まった! 許せない!敦くん、芥川くん、やっちゃえ〜!」
謎に燃えている乱歩さんはお決まりのセリフを言った。
「何故なら、僕が良ければ全てよし!」
ハハハ…と笑っていた瞬間スッと目が細められた。
「伏せろ」
と言う声が発せられた瞬間、ものすごい爆音、ガラスの割れる音、振動が探偵社を襲った。ガラスの割れる音とともに強い異能力者の気配が二つ入ってきた。
「異能力 細雪!」谷崎の声が聞こえた。
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珀秋そら(プロフ) - 感想正座待機でお待ちしておりますべ (2022年8月9日 18時) (レス) id: ae0531e6bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空白時 | 作成日時:2021年7月9日 13時