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鏡花は椅子に座っている。
睨んでいるのはマイク付きスピーカーカメラだ。本来ならば夜叉白雪で危機を乗り越えるが、生憎取られてしまったようだ。多分屋上に罠として置いてあるはずだ。
「如何してこんなことをするの」
鏡花は目の前のスピーカーにきつく問いかけた。すると、意外にも反応があった。
「それは鏡花、お前にまたポートマフィアに入って貰うこともあるが、今、鏡花の働いているところ
の小僧に見込みがあるからだよ」
紅葉の声だ。鏡花は眉を曇らせた。そして、言い放った。
「敦と芥川があなたたちの仲間になる訳がない」
鏡花は珍しく言い切ったと思ったが、予想とは裏腹に、マイクの向こうからは嗤い声が聞こえてきた。
「……フッ。鏡花、お前の所為でその二人がこのビルに来たぞ。そして、もうこの近くにいるはずだ。その間、お前は囚われのオ・ヒ・メ・サ・マだよ……」
鏡花はゾッとした。何かざらざらしたもので心臓を舐められたような気持ちに…。
途端に眠気が襲ってきた。ドアの開く音と二人の息遣いが幽かに聞こえてきた。誰が入ってきたのか知るよしもなく、深い眠りと体が浮く感覚に襲われた。
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珀秋そら(プロフ) - 感想正座待機でお待ちしておりますべ (2022年8月9日 18時) (レス) id: ae0531e6bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空白時 | 作成日時:2021年7月9日 13時