胃腸炎<忠義> 3※ ページ27
侯隆Side
すばるへの連絡を終えて、忠義のいるトイレへ戻ると、忠義がぐすぐす泣いていた。
これ以上しんどなってもうてもあかんからとりあえず泣き止ませて、車に乗り込む。
後部座席でぐったりしている忠義にブランケットをかけてやると、そのまま目を閉じた。
とりあえず少しでも寝られたらええな。
しばらく車を走らせていると
「おえぇぇぇぇ…っ、」
後部座席の忠義が右手を口に当てて戻しとった。
全然気づかへんかった。
急に車は停められへんから、とりあえずゴミ箱を渡す。
「忠義ごめんな、全然気づかへんかったわ。とりあえずこれ持っとき」
左手でゴミ箱を受け取った忠義はその中に吐き続けている。
小道に入って車を停めて、後部座席のドアを開ける。
ティッシュで汚れた右手を拭いてやる。
「うぇっ、……ゲェェェッ!…ぅっ、」
なかなかおさまらへんなぁ。
多分胃腸炎やろうし、ムリに病院連れて行かんでもよかったかな。
かわいそうなことしたわ。
忠義に水を飲ませながら、家までの距離と病院までの距離を考える。
……家の方が近いな。
「おえぇぇぇぇっ!!」
水を飲ませてもすぐに吐き出してしまう。
熱も全然下がっていない。
すばるに再び連絡を入れ、帰りに輸液と念のため吐き気止めの点滴を持ってきてもらうように頼み、家に帰ることにした。
「忠義、しんどいのにごめんな。一旦帰ろうか」
「……ん、」
あまり揺らさないよう気を遣いながら、車を走らせ、家へ戻る。
「ふぇっ、…きみ、、に…」
「ん?どないした?もう着いたで。おりれる?」
「おなか……いたいぃ…、」
お腹を押さえて唸る忠義を抱えて、慌ててトイレへ連れて行く。
また戻しても良いようにバケツも置いておく。
「も、ややぁ……ぉぇ、」
「嫌やな、しんどいな。菌出してもうたら治るからな」
ペットボトルにお湯を入れて、忠義のお腹に当てる。
そうしていると
「ただいま」
すばるが帰ってきた。
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koma(プロフ) - とろりん子さん» とろりん子様のこと、知れば知るほど似たところがあり、全く関係ないとは思えません。本当にありがとうございました。すみません、他の方のリクエストが見えないので、お二人のコメントを別枠にうつし、ここから削除させていただきます。よろしくお願いします。 (2016年6月1日 16時) (レス) id: c170da9f5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:koma | 作成日時:2016年4月9日 0時