【3年A組】不自然な彼女

■3月1日 ページ22

半年前のことなのに、何だかもっと昔のように思えてしまう。
あの時は…まだ皆とはまだ仲が良かったな、なんて……


「皆が澪奈と小春を避けるようになって、
澪奈と小春をまるで空気みたいに無視するようになって…可哀想だった。」

「ちょっと待ってよ！私達は…」

「それで！…茅野、お前はどうした？」


諏訪さんが反論しようとするのを制止し、先生はさくらに話し続けるように促した。

「手紙をもらいました。澪奈から。


『私とさくらは違う。プロレスネタとか全然分からないし、ずっと合わないと思ってた。
だからもう二度と話しかけないで。
さくらとは友達になれない』


やっぱり私と澪奈じゃ釣り合わないんだって。

澪奈が釣り合うのは小春みたいな、成績優秀で才色兼備な子だけ。小春だって大変なはずなのに、いつも澪奈の傍にいたから。


だから、あの時はあんまり気にしなかった。
手紙を貰ってから、私も澪奈と小春を避けるようになりました


そして、澪奈と小春を空気みたいに無視するようになって
最低です。澪奈はきっとそれが辛くて…」

「さくら…」


さくらの言葉、ちゃんと聞いたの久しぶりな気がする。

私とさくらを繋ぐものは、澪奈だった。
澪奈が死んでから、私とさくらの接点はなくなった。


だから…さくらのこと、私は何も知らなかった。



「…何それ？それじゃまるでうちらが自 殺の引き金引いたみたいじゃん」


まるで、じゃない。みたい、でもない。

澪奈を苦しめたのは、お前らのくせに。


「え？何？うちらを主犯にしてぶっきーに裁いてもらいたいの？」

「そんなつもりじゃ…」

「だいたい自分が一番の親友みたいに語っちゃってさぁ、そういうのマジムカつくんだけど」


香帆に、




.




……私の高校最初の友達に、そんなこと言ってほしくなかったのに。

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