Wolf Ⅱ (ページ39)

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私なんて...。
私なんか...。って...。

あまりに勢いの良い口回しに、慎が表情を変えられずにいるのが見て取れた。
でも、私はそんなのにも構わず、あまり気にせずに
そのまま言葉を続けた...

「慎や北人さんはっ...、大事だから...。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿大切だから...っ！
私は困らせちゃいけないっ...。苦しませちゃいけないっ...。
私がっ...！困らなきゃいけない...、苦しまなきゃいけないっ...！！」

脳裏に北人さんの涙と、慎の悩ましげな顔が映った。
頭には“もうくるな”、言葉が響いた...。

その瞬間、私の中の何かが切れてそのまま口が震え始める。
そして1粒、また1粒と頬を涙が通り過ぎた。

そんな涙は流れる重い空気で押し潰されそうになっていた。
きっと私の一方的な言葉圧のせい

私のせい...。

『っ...』

私の流す空気に、言葉を紡げない慎
そうやって困らせてるのも私...。

私なんだ...。

自分に対する気持ちが溢れ、さらに涙が零れた...。
それが無意識にまた空気を重くするのにも気づかず...。

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そんな中...

突然だった...

＿＿＿＿＿＿＿＿＿ｶﾞｻｯ...

慎の息遣いと、軽い私の嗚咽
そして重い空気...

それだけが流れていたこの部屋に、第4の音が

“ふと”鳴った...。

私と慎が音のした方へ顔を向けたのは同時だったが、口を開いたのは慎が先だった。

『北人...さん...』

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