Wolf Ⅱ (ページ18)

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まさかとは思うが、脳内にひとつの考えが貫き、思わず目を見開いた。

きっと北人さんが言おうとしていることと同じだと思う。

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『もう一度言うけど、掟を管理しているのは番人なんだ。破ると番人が裁きを降す。

だから壱馬は銃で殺されそうになったりして...、多分あの日の、壱馬がいなくなった日の電話は...』

「番人から...？」

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『“やぁ元気かなぁ～？”』
その薄気味悪い低めの声が頭の中でフラッシュバックする。
本当に怖くて、電話越しなのに威圧感があった。
あの日の緊張や恐怖が奥底から蘇ってくるような感じになった。

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『壱馬、前に言ってたんだ。大きな人から専属の殺し屋になってくれって依頼が来てるって。でも自分は自由にやってくから、依頼に答える気はないって...。』

『それ、俺も聞きました...』

北人さんの声に続いたのは、私が放って置いてしまった慎だった。

彼はいつの間にか私の背後にたち、会話に入る。

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『壱馬の殺しの腕は確かだ。
もしかしたら、壱馬だけ特例で、番人の裁きが番人専属の殺し屋になることだったら...。そうしたら...』

「彼は生きてる...」

“うん”

そういった北人さんの顔は暗かった。
私も嬉しいはずなのに喜べず、何故かあの日の記憶がフラッシュバックした。

そして理由もなく、ポケットに入っている彼のネックレスを強い布越しに握った。

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