Wolf (ページ31)

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寄せる耳に......... ページ31

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北『よかったよ～、元気になって』

壱『迷惑かけたな…』

北『全然！ Aちゃんもありがとうね』

「あっ…、はい…」

彼が怪我してから数日後、すっかり熱も下がり傷口の様子も回復に向かっている。

そんな時、お世話になった北人さんがお見舞いということで家に来た。

最後に見たあの冷たい様子が嘘かのように、暖かな笑顔で場を包んでいる北人さん。

私にとっては違和感しかなく、急に振られた質問にもうまく答えられなかった。

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北『壱馬、ちょっと...』

3人での会話が続いて数分、北人さんは顎でほかの部屋をさしながら彼の名前を呼んだ。

横目で私の顔を見ると、すぐ目をそらす。

壱『あぁ』

彼はそう発すると、北人さんとともにほかの部屋に行ってしまった。

リビングにぽつんと取り残された私は、ソファーに勢いよく座る。
自分が邪魔者扱いされたようで気持ちが落ち込んだ。

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