ヒーローは居た_s.O ページ41
■
「っは……はぁ……」
「ゲホッ、音羽先生、大丈夫ですか」
「大丈夫です」
無線が繋がらない。
いつもこうだ。最近喜多見チーフのように
突っ走ってしまう。
Aと、千住さんの声が聞こえる
もう着いてたのか。
『う″ぇっ……ｯ…………』
「蓮見さん！！！もう出ましょう！！倒壊の危険があります！！」
『千住さん！さっきの方は！？』
「上まで運び終わりました！！危ないです！」
『分かりました』
まずい、ここで行かれたら、
倒壊する前に逃げるのは無理だ。
「A！！！！」
「A先生！！！！！」
声のした方へ思いっきり叫ぶ。
『……今なんか……ﾋｯ！！』
「蓮見さん、大丈夫ですか！」
『千住さん、こそ。今肩当たりましたよね！？』
「俺は大丈夫です。」
「A！！」
「ここにいます！！！！」
『なんか……聞こえる…………千住さん！声が！』
Aの声はよく通る。
「A先生！！！！！音羽先生と俺が下に閉じ込められてて上がれません！！」
『千住さん、肩大丈夫ですか？』
「大丈夫です、早く2人を上げましょう」
『うわっ！！！！』
「A！？」
「A先生、大丈夫ですか！？」
引き上げるために退けたところが崩れて、
Aが落ちてきた。
大動脈瘤破裂手術から、ここまで忙しいな
『ごめんなさい！！！喜多見チーフ先上がって引き上げて下さい……』
「分かりました」
「A、先上がって。」
『ごめ、ありがとう』
Aを上げてから、俺も続く
「蓮見さん、顔色悪いです。早くここから出ましょう」
『すいませ、なんかくらくら……』
「A先生、酸素吸いましょう」
『……3人とも肺活量かなんか……鍛えてんですか…………』
「冗談言えてるから大丈夫ですよ、A先生」
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作者名：Lerian | 作成日時：2021年9月23日 20時
