ちゃっかりしてる ページ12
■
『えぇ……でも休憩時間に会うことが多いから、ゼリーの話とかするし、解剖の話とか警察の話とかするよ』
「解剖の話？」
『友達が法医学者なんです。薬毒物検査とかご遺体のお話とか？火葬ギリギリで止めてえらいことになった話と、警察官の話も、友達が警察官なんです。』
「でも音羽先生がそんな話に付き合ってくれるとは思わない……」
「これは確実に」
「匂いますねぇ！！！」
女子たちがキャッキャと黄色い声をあげる中、
冬木先生は春ですかぁとほんわり。
元一はと言うと、先輩好みは喜多見チーフじゃなかったんですか！！！とかいってる。
『いや、私の所にこんなに目の保養になる人はいないからいいなぁって思っただけだから。その言い方誤解を生むからやめなさい』
「A先生も物好きですねぇ〜」
『ほんとは、抱きつきたいくらい筋肉好きです』
吸いたい。筋肉の空気を
このゼリーみたいな感じで
筋肉エネルギー摂取法的なの、開発してくれ
「筋肉好きめ……」
聞こえてんだよメカオタ
「あ、そうだ。A先生涼香がお世話になってるみたいで」
『いや、お世話になってるのは私の方です。涼香ちゃんほんとにほぼ毎日のように会いに来てくれて……』
それは入院しているときだった。
「音羽先生に聞いて来ました。蓮見先生赤ちゃんを助けてくださってありがとうございます」
『1番感謝を伝えるべきは音羽先生です。あの場に医者が私一人なら、助けられませんでした。』
それから涼香ちゃんは毎日のように来てくれて、
退院してからも、私がゼリーばっか食べてるの見て
怒ってお弁当くれる。
あまりにぷりぷり怒るのがかわいい。
「あ、そうだA先生。今度うち来ませんか？涼香も喜びますよ」
『え、いいんですか？行きます』
「ちゃっかりしてるしチーフ」
「ほんっと、あれ絶対蓮見先生かわいいって心の中では思ってますよねぇ」
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作者名：Lerian | 作成日時：2021年9月23日 20時
