佐久間の色の明日【9】

No puedo（ぽめさくさんリク） ページ21

目黒side








事件は歌番組の時に起きた。



















♪〜

佐「．．．．．．」



深「コソッ)佐久間．．．佐久間っ！」


佐「えっ、あっ、えっと．．．．．．」



深「すみません！もう一度お願いします！」











歌番組の収録。


佐久間君のソロの部分。


英語オンリーの佐久間君の見せ場の部分で、

まさかの歌詞が全飛びして固まった佐久間君。


佐久間君はとことん嘘が付けないから、

目は泳ぎまくって、体だっていつもなら考えきれないくらい硬直してる。







深「佐久間、落ち着け。大丈夫。もう1回やろう」


佐「ごめっ．．．」


翔「ほらっ、位置に着くぞ」












そのあともう一回取り直した収録はうまくいった。


佐久間君も英語の歌詞を思い出して、そつなく歌うことができた。












深「ありがとうございました」









収録現場のスタッフさんたちに挨拶をして帰ってる途中で、


袖で泣いてる佐久間君が見えた。


確かに、袖は暗くなってるからはたから見れば佐久間君が泣いてることはバレないだろうけど．．．


なんせ、佐久間君のすすり泣く音は隠すこと不可能じゃねえか？







「佐久間君、ここじゃあれなんで、こっち行きましょう」




佐久間君の肩を抱いて、袖よりも奥の方、だれも立ち入ってないようなところに連れていく。







佐「ごめっ、グスッ俺っしっぱいした．．．」


「大丈夫。ちゃんと佐久間君立て直してたから」




康「めめぇ、タオル持って来た．．．

うわぁ、佐久間君めちゃ泣いてるやん。

ほら、康二君のところにおいでや」





康二も気づいてたのか、タオルを持ってきてくれて、


そのまま泣いてる佐久間君を思いっきり正面から抱きしめる。



正直、佐久間君みたいな小柄なうえに華奢な子が、

康二に抱きしめられてるの見ると、マジで年齢詐称感が半端ない。







康「うわっ、さっくん目真っ赤やん。

これ楽屋に帰ったらみんなにバレちゃうで。


顔あろうて帰ろうな」


佐「うんっグスッ」






康二に支えられながら、トイレの方に2人で歩いて行った。

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