私のせいで六人のお兄ちゃんが心配性になったんだが

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さとみside


家の扉を開ける。
いつも帰ってきたときに漂う、美味しそうな匂いはしない。

『Aー！最近不審者いるらしいから気をつけろよー』

返事が返ってこない。

おかしい。絶対に。


？？？「っはぁ、、はぁ、、、はぁ、、」

荒い呼吸の音。
一瞬にしてその理由が分かった。
呼吸音が聞こえる方に足を運ぶ。




『A？おい！A！！』



そこには床に座り込んだAがいた。



A「お母さんごめんなさい！ごめんなさい！謝るから！ちゃんといい子でいるから！殴らないで、、、！痛い！ごめんなさい！、、、蹴らないで！！」


涙ぐみながら、謝っていた。
幻覚？いや、そうじゃない。
何かにおびえている。

『おい！？A！？』

声を掛け、手を差し出す。

A「嫌っ！」バシッ

ふり払われた。
体が小刻みに震えている。

Aの背中をさする。

あまり気にも留めなかったが、腕あたりに火傷跡みたいなものが付いていた。
そういえば、Aの首筋に真っ赤な跡があった。

だんだんAの呼吸が整ってきた。

『大丈夫か？さっきどした？』

A「さとみお兄ちゃん、、、、？」

疑問形になってるから今まで気づかなかったのか。

A「さとみお兄ちゃん、、ごめんなさ、、、」

『手は痛くないから！何あったか詳しく話せるか？』

A「、、、、、、うん」

Aから血の気が失せていく。
真っ青な顔を俺は見ていた。


Aside


さとみお兄ちゃんの声で現世に戻ってきたような気がした。

今、隣を見ると正座して私に目線を合わせてくれているさとみお兄ちゃんがいる。


さ「何あったか詳しく話せるか？」

『、、、、、、うん』

ほんとは怖すぎて口も開けないほどだった。

『あのね、、』

不意にどうしようもない恐怖が私を襲う。
目の前が真っ暗になった。

１２→←謝罪＆感謝

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