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25.花 ページ26

Aが高専に入学してきて、数ヶ月経った。

今では自分の“術式”も使いこなして、任務にも出向いている。


ある日、Aが朝早くから任務に出ていた日。

A以外の4人が教室に入ると、教室の隅に花が飾られていた。


「…なんだこれ」

「花だな」

「綺麗だね」

「しゃけ」


みんなで花瓶に生けられた花を眺める。


「…誰が飾ったんだろう」

「こんな洒落たことするの、A以外いるか?」

「おかか」

「でもあいつ、朝弱いだろ」


確かに、Aは時々寝惚けながら教室に入ってくる。

今日の任務は朝とても早かった筈だし、起きるのも辛かっただろう。


「この花、なんて花だろう…」


憂太が呟く。

みんな花に詳しくないから、首を傾げている。


「おはよ〜、みんな」


そこに入ってきたのは、担任である白髪の目隠し男。


「ん、どうしたの。そんなとこに集まって…何この花?」

「知らん。たぶんAが飾ってったんだろ」

「へぇ〜。ガーベラかぁ、Aにぴったりだね」


悟の口からこの花の名前が出てきて、みんな驚いて振り返った。


「花、詳しいのかよ」

「まぁね〜」

「キメェな」

「ん?酷くない?」


悟を無視して、みんなの視線は花瓶に戻る。


朝早くに花を飾りに来たAの姿を想像すると、すごく愛おしく思えた。


次の日からしばらくAは任務に出掛けていたが、必ず毎朝花が飾られていた。


何故か花に詳しい悟によると、飾られていたはダリア、カスミソウ、カンパニュラ…

そして今日の朝は、僕達でも分かるピンクのバラの花だった。


「こんな毎朝、何の為に…」

「分かんないけど、教室も華やかになっていいね」


花瓶を見て、憂太は微笑んだ。


確かにそうだけど、僕はしばらくAに会えていないことが寂しい。

綺麗に咲いているバラを見て、Aを恋しく思った。

26.感謝→←24.冗談



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saki - 告白の仕方がこう…どっちも呪いって言うのが良すぎる!硝子さん出てくるのも好き… (11月4日 0時) (レス) @page43 id: 15ea9621b8 (このIDを非表示/違反報告)
佳日 - 初めまして!緋波さんの描く狗巻先輩とヒロインがすごく可愛らしくて一気に最新話まで読んでしまいました!ずっときゅんきゅんしています!素敵な作品をありがとうございます! (2021年4月11日 12時) (レス) id: d082233f53 (このIDを非表示/違反報告)
ねね - 狗巻先輩かっこいい〜〜〜!あの整った顔立ち、さらっさらの髪の毛!素敵な声〜〜〜!!凄く好きです!好きすぎて丸一日狗巻先輩のことを考えています!!大大大大ファンです!続きを楽しみに待ってます! (2021年3月19日 21時) (レス) id: 1efb73ea53 (このIDを非表示/違反報告)
緋波(プロフ) - #すずめさん» ありがとうございます~!*これからも頑張ります* (2021年3月6日 19時) (レス) id: c96b915781 (このIDを非表示/違反報告)
#すずめ(プロフ) - 狗巻先輩可愛い!これからも更新頑張って下さい!! (2021年3月6日 8時) (レス) id: d788bf59a4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:緋波 | 作成日時:2021年2月21日 0時

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