23.意地悪 ページ24
『五条先生』
任務から帰ってきた僕を笑顔で出迎えてくれるのは、数ヶ月前に転入して来たA。
「A。どこ行くの」
『硝子さんの所に。怪我しちゃって』
そう言う彼女も、任務の帰り。
よく見ると膝から血を流している。
「じゃあ、一緒に行こうか」
2人で硝子のいる医務室に向かうと、硝子は「お、おかえり」と迎え入れてくれた。
『硝子さん、こんにちは』
Aは、硝子に一番懐いている。
もちろん同級生とも仲が良いけれど、硝子と接するときはまるで硝子の妹のようだ。
硝子には“人の心の声が聞こえる”ことを説明していて、硝子も僕と同じように脳を呪力で守っているから、Aには硝子の思念も届かない。
頭の中に余計なものが響かないからこそ、硝子とも気楽に付き合えるんだろう。
「…はい、膝は治った。気を付けなよー」
『ありがとうございます、気を付けます〜』
考え事をしている内に、硝子はAの治療を終わらせていた。
「…で、あんたは何の用？」
「僕？Aについてきただけ」
僕が言うと、硝子は怪訝そうに顔を歪めた。
「…A、ああいうストーカーには気を付けなよ」
「ストーカーって言わないでくれる？僕、その子の担任なんだけど」
『気を付けます！』
「Aも真剣に頷かないで？」
『だって…五条先生の第一印象が、ものすごく不審者だったから』
あぁ、高専まで連れて来たときのことか。
半ば無理やり連れ込んだようなものだから、不審に思われたとしても仕方がない。
「大丈夫、間違ってないよ。本性も不審者みたいなもんだから」
「硝子、僕の生徒に余計なことを吹き込まないで」
「Aは、悟よりも私の方が好きだもんな」
Aは何も言わないけれど、満面の笑みを浮かべている。
気を遣ってくれているんだろうが、Aは僕よりも硝子に懐いているのが事実だ。
「Aは危機感ないんだから、男には気を付けるんだよ」
硝子が少し笑いながら、Aの頭に触れる。
僕はそんなAに意地悪するように言った。
「A、今すごいアピールされてるけどね〜」
言われたAは、パッと頬を赤くする。
「私のA、もう誰かに狙われてるのか」
「彼の心の声が聞こえてるのに、無視してるんだもんね？意地悪だなぁ〜」
『…五条先生のおばか…』
Aはそう呟いて、硝子に引っ付いた。
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saki - 告白の仕方がこう…どっちも呪いって言うのが良すぎる！硝子さん出てくるのも好き… (11月4日 0時) (
レス) @page43 id: 15ea9621b8 (このIDを非表示/違反報告)
佳日 - 初めまして！緋波さんの描く狗巻先輩とヒロインがすごく可愛らしくて一気に最新話まで読んでしまいました！ずっときゅんきゅんしています！素敵な作品をありがとうございます！ (2021年4月11日 12時) (レス) id: d082233f53 (このIDを非表示/違反報告)
ねね - 狗巻先輩かっこいい〜〜〜！あの整った顔立ち、さらっさらの髪の毛！素敵な声〜〜〜!!凄く好きです！好きすぎて丸一日狗巻先輩のことを考えています！！大大大大ファンです！続きを楽しみに待ってます！ (2021年3月19日 21時) (レス) id: 1efb73ea53 (このIDを非表示/違反報告)
緋波(プロフ) - #すずめさん» ありがとうございます~!*これからも頑張ります* (2021年3月6日 19時) (レス) id: c96b915781 (このIDを非表示/違反報告)
#すずめ(プロフ) - 狗巻先輩可愛い!これからも更新頑張って下さい!! (2021年3月6日 8時) (レス) id: d788bf59a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緋波 | 作成日時：2021年2月21日 0時
