13.困惑 ページ14
〈でも、こんな優しい子が人を嫌う訳ないか…心配してくれたのだって、初めて“術式”使って不安だっただけだろうし。あぁ、やっぱり、優しいA好きだなぁ…〉
数秒後、突然のポジティブ思考に、私は困惑する。
あれ、狗巻くん、さっきまで物凄くしょんぼりしてたよね…？
目の前の狗巻くんは、いつもの様にニコニコしている。
こんなポジティブな人だったなんて。
焦らなくても良かったんだ…
安心していると、真希ちゃんが扉に手を掛けた。
「じゃ、私らは先戻っとくわ」
「頑張れよ、特訓」
「無理しちゃダメだよ」
「しゃけ！」
『ありがとう、みんな』
部屋から出て行くみんなに手を振る。
2人だけになると、五条先生は息を吐いてソファに座った。
「…Aって、棘の前だとよく表情変えるよね〜。焦ったり照れたり」
『えっ…』
「棘の心の中はどうなってるのかな？」
五条先生が、真希ちゃん達と同じニヤニヤした表情で見てくる。
今は彼の思念が聞こえないので、その言葉の真意は分からない。
「青春を謳歌するのは良いことだと思うよ。学生の特権じゃない」
『…それより、“術式”のこと、もっとちゃんと教えてください！』
恥ずかしくなって、私は思わず大きな声を出した。
「んー？使ってたら分かるよ」
この人は、これでも本当に教師なんだろうか。
ため息混じりに『じゃあ良いです…』と言うと、五条先生は「そういえば」と呟いた。
「Aさ、いつまで言わないつもりなの？みんなの心が読めること」
五条先生の問いに、私は黙ってしまった。
気味悪がられてしまうのが嫌で、五条先生には『黙っていて』とお願いしたけど。
このままではずっと、みんなに嘘を吐き続けることになってしまう。
『でも…今更言っても、余計に気持ち悪いんじゃ…』
実はあなた達の心を読んでました、なんて言ったら、みんなどんな反応をするだろう。
嘘を吐いていたことも、心を見透かしてしまっていることも、きっとみんなを嫌な気持ちにさせてしまう。
『…言いたくないです。気持ち悪がられるのは、もう嫌だから』
____今までずっと、私の本音を聞いてたの？
____勝手に心読んで、気持ち悪いって…ふざけんなよ。
____分かってるなら、なんで助けてくれないの…
この力のせいで投げ掛けられた言葉や、失った友達の顔が、次々に浮かんできて、胸が痛くなった。
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saki - 告白の仕方がこう…どっちも呪いって言うのが良すぎる！硝子さん出てくるのも好き… (11月4日 0時) (
レス) @page43 id: 15ea9621b8 (このIDを非表示/違反報告)
佳日 - 初めまして！緋波さんの描く狗巻先輩とヒロインがすごく可愛らしくて一気に最新話まで読んでしまいました！ずっときゅんきゅんしています！素敵な作品をありがとうございます！ (2021年4月11日 12時) (レス) id: d082233f53 (このIDを非表示/違反報告)
ねね - 狗巻先輩かっこいい〜〜〜！あの整った顔立ち、さらっさらの髪の毛！素敵な声〜〜〜!!凄く好きです！好きすぎて丸一日狗巻先輩のことを考えています！！大大大大ファンです！続きを楽しみに待ってます！ (2021年3月19日 21時) (レス) id: 1efb73ea53 (このIDを非表示/違反報告)
緋波(プロフ) - #すずめさん» ありがとうございます~!*これからも頑張ります* (2021年3月6日 19時) (レス) id: c96b915781 (このIDを非表示/違反報告)
#すずめ(プロフ) - 狗巻先輩可愛い!これからも更新頑張って下さい!! (2021年3月6日 8時) (レス) id: d788bf59a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緋波 | 作成日時：2021年2月21日 0時
