兄に効く兵器はカレシ。 ページ1
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『悟くん、お悩み相談してくれませんか』
「あ？何、俺超忙しんだけど」
『ちなみに何に？』
「パフェ食うのに」
『実はね、私お兄ちゃんがいるんです』
「無視しやがったな」
目の前で座り込む女にため息をこぼす。
三つ編みに束ねたブロンド髪を肩から横に流す女は、俺の行きつけの喫茶店の店員。歳は2つ下の16歳。
俺も大概だとは思うが目の前のコイツは人の話を聞かない傾向が強い。
いつもいつの間にかスピードにのせられ、会話がぽんぽんと進んでいってしまう。
『中学の頃からかまってくれなくなっちゃいまして。高校に入ってからさらに悪化して…すごーく冷たいんですよ』
「そういう時期なんだろ、ほっといてやれよ」
『そうなんです？』
「構われすぎんのも嫌なんだよ男は」
『だってかっこいいんですもん、私のお兄ちゃん。
全寮制の高校行っちゃって全く会えないし…妹は寂しくて死にそうです』
カウンターに肘をついて深いため息をこぼす。
髪の色と同じ長いまつげが、色素の薄い灰色の瞳を覆い隠してまた見せを繰り返す。
化粧っ気のない、だが陶器のような白い肌は喫茶店の柔らかい光に照らされて輝いていた。
憂いを帯びた瞳はそっと窓の外を眺める。
いちいち絵になる仕草をするコイツに、店の中にいたジジイ共が少し顔を赤くしたのが見える。
こんな妹をほっとく兄貴も罪な奴だ。
どれほどの兄貴なのか顔を拝んでやりたい。
そんなことを考えながら砂糖をたっぷり入れたコーヒーを飲む。
…あ、そうだ。
「…そんなに構ってほしーのかよ」
『え？…構ってほしいというか、前みたいに話してくれたらいいなって。それだけです』
「…ふーん。じゃあ俺がとっておきの作戦を教えてやるよ」
作戦！？とさっきまでの大人っぽい顔はどこへやら目をキラキラさせながらぐっと顔を近づけてくるそいつに思わず身を引く。
『ど、どんな！？』
「彼氏作れ」
『…へ？』
「カレシ。彼氏を、作る。」
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lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (12月15日 16時) (
レス) @page3 id: 7de4ffbd52 (このIDを非表示/違反報告)
眠民。＿ねむみん。 - 凄く面白いしいい作品でした~!!作者さんってもしかして最強!?これからも応援してます!ステキな作品ありがとうございました!! (11月19日 11時) (レス) @page45 id: 03ba19f866 (このIDを非表示/違反報告)
かけたま - こんなにも面白い作品を生み出すあなたは(^^)最強か？ これからも応援させて頂きます。 頑張って！！ (2021年12月12日 0時) (レス) id: a9aad67263 (このIDを非表示/違反報告)
猫餅 - 体長が体調になっています。>"< (2021年8月11日 20時) (レス) id: 3a7b856aca (このIDを非表示/違反報告)
ぬぬ(プロフ) - 素敵な作品私ありがとうございました。とても面白かったです！ (2021年4月26日 11時) (レス) id: 7168c245e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宙
| 作成日時：2020年12月31日 14時
