素直で意地悪で

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HM「彼氏隠してましたとかじゃないんだよね？」



「それは無いってば」



ここ3日ほど同じ質問を繰り返すヘミと、初めて通る道を歩く



ユンギさんと予定が合って、いつもとは違うカフェに向かっている



「ここかな…写真と同じだよね」



店内に入ると、ユンギさんはまだ来ていないようだった



『いらっしゃいませ。2名様ですか？』



「後からもう1人来ます」



『承知いたしました。こちらへどうぞ』



ユンギさんが指定するお店だからまた隠れ家的な所だと思ったけど、めちゃめちゃ大衆的



HM「こんな改まって話す話って何よ？彼氏以外有り得なくない？」



「口を開けば彼氏彼氏って、うるさい」



カフェの扉が開く音がしたので目線を向けると、ユンギさんが来た所だった



さっきの店員さんが対応して、すぐこちらに来ると思っていたら、何やら会話を始めた



あまりいい雰囲気には見えない



ユンギさんも、店員さんも、お互いの表情が険しい



しばらく扉の前にいた2人が歩いてくる



というより、店員さんの方はずんずんと迫ってくる感じ



『君、Aちゃんなの？』



「そうです、けど」



YG「おい、やめろ何してんだ」



何か言おうとした店員さんの腕をユンギさんが掴み、それを止めた



『やめろじゃないですよ。誰のせいでヒョンが…』



YG「待て、その話は俺もまだよく分かんねえから、今はやめろって」



『なんで…この子のこと庇うんですか？ヒョンの何なんですか』



YG「A、ごめん今日は帰ってくれ。せっかく来てくれたヘミちゃんも、ごめんな」



HM「いえ！全然いいですよ〜ではまた！」



ヘミは早口でそう言うと、私の手を引いて早足でカフェを出た



「ちょ、ちょっとヘミ！言われた通り帰るなんて…」



HM「あの店員さんの様子変だったし、あれ以上あの場にいたらいけない感じがしたんだもん」



確かに店員さんの態度は怖かったけど、“誰のせいでヒョンが…”って言葉が妙に気になる



HM「てか、店員さんがヒョンって呼んでたあの人、誰？」



「今日、ヘミと会ってもらおうとしてた人」



HM「何の為に？」



「…それは、今は話せない」



今日、ユンギさんと私の過去に関わりがあるのは確信した



恐らく良い関わり方ではない



それをヘミが簡単に話してくれるはずもない



ましてオッパなんて尚更だ



振り出しに戻っちゃったな



もしかすると、そもそも進んでもいなかったのかもしれない

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