素直で意地悪で

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来たはいいけどまた倒れたら…とか考えてしまって、談話室の手前から一歩も動けないでいた



ていうかそもそも、何でオッパを裏切ってまでここに来たんだろう



そりゃ昨日会わなきゃと思ったからではあるんだけど、危険を冒してまで会う相手なのかな



モヤモヤと1人で考え込んでいると、誰かが私の側に立っていることに気づいた



『君昨日の…』



「…わっ！」



パッと顔を上げると、まさしく私が会いに来た人だった



「あ、昨日は本当に、ご迷惑をおかけしてしまってごめんなさい」



『いや、突然倒れて驚いたけど元気そうで良かったよ』



改めてお礼を言った後、少しの沈黙が流れる



『あー…ちょっと話さない？』



彼の一言で、さっきまで彼が座っていた席に再び戻る



『俺、ミンユンギ』



「私はAって言います」



YG「よろしくな」



「は、はい！」



YG「そんな警戒しなくても、襲ったりしねぇよ」



そう言い、ふっと笑う彼の笑顔にはどこか懐かしさが感じられた



「警戒心なんてありません！ただちょっと、男性と話すことにあまり慣れていなくて…」



YG「へぇ」



へ、へぇって私どう反応したらいいのよ



反応に困っていると、机の上のユンギさんの携帯画面が光る



YG「悪い、帰んねぇと」



「そうですか…あ、本当に昨日はありがとうございました」



YG「いいってまじで。まぁ結構この時間ここにいるから、暇な時はまた来いよ」



「いいんですか？」



YG「入院中は暇だからな。暇つぶしに俺使えよ」



「え？え、ありがとうございます。じゃあ、また？」



YG「おう、じゃあな」



ユンギさんは左足を引きずるようにして帰って行った



入院中は暇って言ってたし、その左足の為に入院してたのかな？



……え？昨日出会ったばかりの私にすごく優しくなかった？



暇つぶしに使えって、いやそんなこと出来るわけないよ



オッパとの約束を破ったことは後ろめたいけど、もっとユンギさんと話したい



ただ純粋にそう思った



時計に目をやると、そろそろヘミたちが来ていそうな時間だった



病室に戻ってみれば、やっぱり皆来てくれていて頬が緩んでしまった



HM「お、Aどこ行ってたの？」



「談話室だよ」



JK「何しに？」



「何って、別に暇つぶし」



JK「ふーん」



何か言いたげな表情でグクが見つめてくる



けどユンギさんのことは誰にも言わないつもりだし、必死にポーカーフェイスを保った

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