二話 ページ4
「_本日未明、
「…やっぱり………?」
その言葉を建が耳にしたのは、朝のニュース速報だった。
建があの強烈なスローモーションシーンを見てから家に帰ってから、いくら待っても楓が来なかったことに、もしやとは思っていた。
しかし、考えたくはなかった。
考えることから逃げてしまっていた。
幸い、心配性な建の両親は既に仕事場でせっせと勤務をしている時間なので、無駄な話をする手間は省けた。
建が話をしたいとすれば、それは残念ながら両親ではなく佳なのだから。
建は足早に、学校へ行く支度を整えた。
「おはよう!建!」
「…あぁ、おはよう」
「どうしたの?元気ないね?」
心底心配だとでも言う顔で聞いてくる佳。
佳も佳で心配性なのだ。
建は佳の心配性を嫌がっている様子は無いのだが。
そんな心配性な佳に、建は聞いてみることにした。
「……今朝。ニュース、見た?」
「あの、女の子の死体のやつ?惨いよねぇ…色んな所を切りつけられて更にそこに泥を塗ってるってさ」
佳は如何にもおぞましいと言うように、身震いしながらそう言う。
「それなんだけど、さ…あの女の子、俺の親戚なんだよね」
「えっ、それはそれは……本当に御愁傷様…それで元気無かったの?」
「それもそうだ。けど、それだけじゃ、無いんだよ」
「…それだけじゃ無い?」
「あぁ」
「どういう……?」
「俺………なんか分かんないけど、佳と同じで、死ぬ前の奴が分かるようになっちまったみたいで」
そう打ち明けた建は、眉の端を若干下げ、悲しげに笑った。
意味も無さそうに、ゴミ捨て場に群がっていた烏が一羽、とても下手に鳴いた。
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こきあ@鈴木家の母(プロフ) - いちごみルく。さん» 読みやすいですか?!ありがとうございます!頑張ります! (2021年12月17日 23時) (レス) id: 83905c476e (このIDを非表示/違反報告)
いちごみルく。(プロフ) - とっても文章が読みやすくて続きが気になります!おうえんしてます! (2021年12月17日 23時) (レス) @page6 id: fb2070bc6d (このIDを非表示/違反報告)
こきあ@鈴木家の母(プロフ) - 花橋りなさん» ありがとうございます!更新頑張らせて頂きます! (2021年10月10日 13時) (レス) id: 83905c476e (このIDを非表示/違反報告)
花橋りな(プロフ) - めっちゃ更新待ってます!あっ!イベント参加ありがとうございます!!高評価ポチっと!! (2021年10月10日 10時) (レス) @page2 id: 5c2392d27e (このIDを非表示/違反報告)
こきあ@鈴木家の母(プロフ) - 無名。さん» お気に入り登録、コメント、評価、何から何までありがとうございます!更新頑張らせて頂きます!拙い文章ですがこれからもお楽しみ下さいませ! (2021年6月21日 21時) (レス) id: 44169c853d (このIDを非表示/違反報告)
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