__なんでもできないよ3 ページ22
Your Side
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電車に乗っても今までは普通に横並びだったけど、私を角の椅子に座らせるようにしたり、何よりずっとぎゅって手を握ってくれてるから心臓がうるさいのが止まらない。
少しずつそんな状態にも慣れて、私の家まで他愛のない話をして歩く。
話すのが大好きな皇輝くんだから、部活の話だとか弟の星輝くんの話とかで盛り上がって、もっと話したいな...なんて思っていればあっという間に家についちゃって
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「送ってくれてありがとう」
『ううん、全然』
「じゃあ、また明日ね」
『あ、待って』
「ん？」
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玄関を開けようとした私に、ちょっとこっちって皇輝くんが手招きするから近づけば
「っ、こ、うきくん？」
『やっとできた、』
「へ、」
『Aちゃんも、もっとぎゅってしない、の？』
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不安そうにそう尋ねられるから、ゆっくり皇輝くんの背中に手を回してそっとぎゅっとする
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『もっと強くしていいよ、拒んだりしないから』
「っ、うん」
『うん、もっと大丈夫』
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力いっぱいぎゅってしてるのに、もっとだなんて言うから、そんなにくっつきたかったのかなって思うと皇輝くんって可愛い人なんだ。
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「一番強くしてるよ、？」
『ほんと、？』
「うん。皇輝くんのことぎゅってできて嬉しい、」
『ごめん、ずっとこうしたかったんだけど』
「うん？」
『嫌がられたらどうしようって思ってて...』
「皇輝くんなら何でも嫌じゃないのに」
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そう言うとまた皇輝くんは耳を赤くして、瞳が揺れる。
そんな、そんなに照れられたら私だって、、恋とか、付き合うとか、慣れてるわけじゃないから恥ずかしくなって皇輝くんの顔が見れなくなる。
.
.
なんでもできる皇輝くんなのに、
"恋"だけは疎くてなんでもできないみたい。
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だから、手繋いだりとか、ハグとか、それだけじゃなくていつか皇輝くんからキスもしてくれないかな。
なんて、きっと拗らせ皇輝くんだからそれができるのは
まだまだずっと先なんだろうな
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作者名：ようぴょん** | 作成日時：2022年10月1日 22時
