__なんでもできないよ2 ページ21
Your Side
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あまりがめついのもどうかと思うし、そんなことできるタイプでもないし、、、
そう頭をぐるぐるとさせてると
スパッと星輝くんは答えてくれた
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『皇輝は拗らせてるだけなんだって笑』
「えっ？」
『Aちゃんに返すメッセージもしばらく悩んでたりするし、最近俺と話してても上の空だし』
「そう、なの、？」
『皇輝はAちゃんが思ってるよりAちゃんのことで頭いっぱいなはずだから』
.
頑張って、弟の俺が言うから保証する！なんて言って図書室を後にした。
そんなこと、突然言われたって困る。
星輝くんから見たら皇輝くんは私のことで頭いっぱいらしいけど、実際の皇輝くんはそんなふうに見えないから。
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でも、星輝くんが背中を押してくれたから、
"今日は一緒に帰ろう"
って皇輝くんにメッセージを送る。
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しばらく図書室でうとうとしてれば、とんとんっと誰かに肩をたたかれる。
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「っ、あ」
『待っててくれてありがとう』
「あ、ううん大丈夫」
『遅くなっちゃったね、帰ろっか』
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淡々といつも通りの皇輝くんだ。
クラスメイトの皇輝くん。
.
「あの、皇輝くん」
『ん？』
「手......」
『手？』
「っ、繋ぎたいなって...」
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やっぱり驚いた顔してる
図々しかったのかな、やっぱりいいやって言おうとしたけど、少し目線を外した皇輝くんは私の前に手を差し出したから
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「いいの、？」
『うん、早く帰ろう』
.
耳が赤くなった皇輝くんを見て安心する。照れただけなんだって。
だからぎゅっと手を握れば皇輝くんも同じくらいぎゅっと握り返してくれて、私も体温が上がる。
やっと初めて手を繋げたからか、なんとなくお互い照れてしまって駅までずっと無言で。自分の心臓の音だけが大きく聞こえてしまう。
.
『待たせちゃったし、家まで送ってくね』
「でも遠回りじゃ、」
『そろそろ彼氏っぽいことさせてよ、』
「っ、うん」
.
また伏し目だし、耳は赤いし、星輝くんが言ってた
"そういうのに疎い"と"拗らせてる"
がよくわかった。
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作者名：ようぴょん** | 作成日時：2022年10月1日 22時
