__艶やかな刹那 ページ3
Your side
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秘密の社内恋愛、それだけでも十分こそばゆい気持ちなのに。
家に帰れば当たり前のように同じ時間を過ごしている。ただ寝室は別なだけ。
それはお互いが仕事に影響出ないようにとか、起きる時間の違いで睡眠の邪魔しないようにとか、そんな彼らしい配慮。
そんな環境もあるからなのか、仕事場でも家でも彼の姿のある場所にいて、まるで一日中一緒も同然なのに、寂しくなったりしちゃうのは多分、
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『あ、Aさんお疲れ様』
「お疲れ様です、」
家から出たらすごくよそよそしくて、自分たち以外誰もいないときでも他人行儀だから。
たしかに秘密で社内恋愛してるわけだから仕方ないのだけど、二人きりのときくらい少しくだけてくれたっていいのに。
なんて思うし、少しくらい触れたい。
だって、奥手な皇輝くんだから同棲してるとはいえ、ゆっくり触れ合うときなんてたまにしかなくて。
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『何飲むの？ちょうど俺も作るところだったんで』
「あ、うーん、皇輝くんと同じのにしよっかな」
『他のでもいいんだよ？Aさんのぶんも作るよ』
「ううん、皇輝くんと一緒がいい、」
『っ、そっか。じゃあ今から作るから待ってて』
自分と私の分の紅茶を淹れる皇輝くんの背中を見て苦しくなる。
いつも一緒なのに、なんとなく遠く感じちゃう。
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「さみしい、な...」
『っ、ん？』
皇輝くんの背中におでこをつけてきゅっと目を閉じる。同じ柔軟剤使ってるけど香水を纏わないから皇輝くんの優しい匂いがする。
なんか、今日だめかも。
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『なにしてんの、人来ちゃうよ？』
「滅多にこの階の給湯室人来ないじゃん...」
『そうだけど、来ないわけじゃないからね』
「でも出入り少ないからわざわざこっちまで来てるんでしょ...？ね、一瞬だけ、」
『なに、？』
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作者名：ようぴょん** | 作成日時：2022年10月1日 22時
