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繋がれた小さな手。
この18年、たくさん笑ってたくさん喧嘩して、たくさん泣かせて。
“好き”という感情がいつから生まれたのかは分からない。
けど産まれたその瞬間からきっと愛おしくて守りたい存在であったことに間違いはない。
そう簡単に手放してたまるか。
「…あ、今日ママいないの」
「マジ?飯は?」
「コンビニ行こうかなって思ってる」
「うち来れば?どうせ昨日の残りのカレーだし、Aの分もあんだろ」
「え、いいの?」
「むしろ喜ぶよ」
うちの両親は昔からAのことを気に入ってた。
自分の娘かのように可愛がって、「Aちゃんがお嫁に来てくれたら嬉しいのになぁ」なんて何度も圧力をかけられる。
んなの俺が1番そうしたいっつの。
「ただいま」
「お邪魔します」
「おかえりー」
「なぁ、今日Aも飯一緒でいい?」
「え!?Aちゃん!?」
いつもソファで空返事するだけの母親が、Aの名前を聞いた途端に立ち上がって玄関までやってくる。
嬉しそうな顔で走ってきたかと思えば、ローファーを脱ぎ掛けのAに抱きついた。
「わ、」
「久しぶりー!」
「危ねぇよ」
バランスを崩したAを支えてベタベタにくっつく母を引き離す。
なんか年々精神年齢が若くなってる気がするのは気のせいだろうか。
「Aちゃんカレー好きだったわよね!」
「あ…はい!」
「よかった〜!ぜひ!食べてって!」
「ありがとうございます!」
近ぇって。
………ま、意地悪姑よりマシだけどさ。
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駆凪 - すごく面白いです!!頑張ってください。 (2022年8月17日 0時) (レス) @page50 id: a1142e8383 (このIDを非表示/違反報告)
まれぴゅま(プロフ) - 瑞 彩 * ((( 低浮上さん» ありがとうございます! (2019年12月10日 21時) (レス) id: 4d2e6b700d (このIDを非表示/違反報告)
瑞 彩 * ((( 低浮上 - 面白いです(^_^) (2019年12月10日 18時) (レス) id: 139e318ce4 (このIDを非表示/違反報告)
まれぴゅま(プロフ) - 黒髪少女さん» ありがとうございます(^^) (2019年11月25日 18時) (レス) id: 4d2e6b700d (このIDを非表示/違反報告)
黒髪少女 - カウントダウンで、なんでも口を割ってしまうとかいい!最高!! (2019年11月25日 17時) (レス) id: 895c331d9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まれぴゅま | 作成日時:2019年11月13日 20時