拗らせ症候群。Mizuki.I (ページ21)

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「この水着可愛い！」

「莉子ちゃんスタイルいいからコレ似合いそうだけどなあ」

「じゃあAちゃんはコレ着てね！」

「え、ちょっと可愛すぎない？」

「いーの！」

とある土曜日。

莉子ちゃんを我が家に招いて、2人で水着のカタログを眺めながらどんなのにするか選んでいた。

可愛いお顔の割に背が高くてスタイルいい莉子ちゃんは、どんな水着でも様になりそうで。

コレもアレもなんて目移りしてたら、窓がドン！と叩かれる音がした。

寝る時と出かける時以外は、いつもカーテン開けっ放しだけど今日はまた別。

女子会だから閉め切っていたカーテンと窓がバンバンと揺らされた。

「な、何…？」

「ごめんね、多分瑞稀だ」

シャッとカーテンを開けると、そこには眉を顰めた瑞稀と呆れ笑いをした橋本くん。

え！？と慌てて窓を開けると、莉子ちゃんも窓に近付いてきた。

「キャーキャーうるせぇよ」

「ごめんね、楽しそうな声聞こえたから気になっちゃって」

「橋本くん来てたの？」

「うん、男子会〜」

「水着選んでんの？」

よっと慣れた様子で窓を越えてきた瑞稀。

橋本くん達が少し引いてる気がするけど…。

橋本くんも来る？と手を差し出すと、ありがとうと微笑んで軽々とこちらにやってきた。

「Aコレいいじゃん」

「ね、やっぱそれ似合いそうだよね！」

「ほんとだ、可愛い」

「え、それ…？」

瑞稀が指さしたのは、さっき莉子ちゃんにも言われた白い水着。

確かにフリルがついてて可愛いし、ビキニの割には露出が控えめでいいんだけど…

なんか馬子にも衣装感。

「絶対可愛いから！」

「そうだよ、せっかくの修学旅行なんだし」

「あー、早く見たいな、Aちゃんがコレ着てるとこ！」

「モテモテになっちゃうね。いいの？瑞稀」

水着を選んで早々、飽きたのかベッドに寝転がってスマホを弄っていた瑞稀に橋本くんが問いかける。

眉をピクリと上げてしばらく考え込んだ瑞稀は、またカタログを覗き込んだ。

「……やっぱこっち」

「え、ちょ、キャラ物？」

「井上くん正気？」

「ふは、わかりやすっ」

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