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『いいんですか？お兄さんのご飯じゃ、』
大「あー全然！手当たり次第買ったんで。こんな食えないし。」
そう言っていっぱいに詰められた袋をチラ見せした。
『じゃあお言葉に甘えて....』
遠慮がちに頭を下げた彼女は俺の隣に座り、小さくちぎって飼い犬の��ぽんちゃん��にあげ始めた。
ビックリした。
帰んないんだ。
なんの躊躇いもなく隣に座るもんだから少し緊張した。
彼女が隣にいてくれるからか、不思議とさっきのどんよりとした気持ちが薄れていくような感じがする。
特に何を言うわけでもなく、ただ隣に座っているだけ。
名前も、年齢も知らない女の子に救われた気がしたんだ。
そうこうしているうちに、��ぽんちゃん��はサラダチキンを食べ終え満足そうにペロリと口元を舐めた。
それと同時に立ち上がった彼女は、カバンからガサガサと何かを取り出した。
『これ、もしよかったらどうぞ。』
俺は差し出された箱を受け取った。
「あーこれ！新作のアソート！」
『私、ホワイトチョコが大好きで。コンビニで見つけるたびに買っちゃうんです。』
「これ美味いよね〜俺もホワイトチョコ好きなんだよ〜」
『ふふ、良かったぁ。』
そう言って柔らかく笑った。
『心が疲れた時は、甘い物食べたらいいんです。』
「え....」
『きっと、良いことがあります。お兄さん良い人だから。』
彼女は俺が落ち込んでいることに気付いたのだろうか。
��心が疲れている時は��と表現し、無条件に与えてくれた優しさに触れて、泣きそうになった。
『それじゃあ、ありがとうございました。』
彼女はリードを持ち直して歩きだした。
「っ、あの！」
失恋したばかりなのに別の女の子に声掛けてるなんてヤバイやつかな。
初対面なのに呼び止めて、不審がられるかも。
そんなことを考える前に、身体が勝手に動いていた。
なんとなく、君といたら雲が掛かった気持ちも晴れるような気がしたから。
大「もし良かったら、友達になってくれませんか、」
振り向いた彼女は心底驚いた顔をしたけど、すぐに優しく笑ってくれた。
もしかしたら、始まっちゃうかも、
久しぶりに感じた陽だまりのような温かさに、どこか期待のような感情が滲んだ。
《番外編》甘露の日和 fin.
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cleam(プロフ) - ちなこさん» コメントありがとうございます！毎日読んでもらえてるんですか....！めちゃめちゃ嬉しいです（ ; ; ）素敵って思ってもらえるように描けてよかったです！ありがとうございます！ (2021年3月29日 20時) (
レス) id: d9a9e1fa04 (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - みうさん» コメントありがとうございます！こちらのお話はさくまくんがかなり切ないポジションですよね（ ; ; ）「うわあああ」ってなってもらえてよかったです（ ; ; ） (2021年3月29日 20時) (レス) id: d9a9e1fa04 (このIDを非表示/違反報告)
ちなこ(プロフ) - cleamさんの書かれるお話が好きすぎて1日一回は読んでます！！！こーじくん素敵すぎて惚れ直しました…（） (2021年3月27日 2時) (レス) id: 3adce2c6d7 (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - うわあああさっくん(TT)(TT)ってなりました素敵です(TT)(TT)(TT) (2021年3月26日 16時) (レス) id: 90ad8ea26a (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - のびさん» コメントありがとうございます！さくまくんの一途さ感じ取っていただけて嬉しいです◎さくまくんのリクエスト何件かいただいてるので、またいつか出させていただきます＾＾ (2021年1月23日 14時) (レス) id: d9a9e1fa04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cleam
| 作成日時：2021年1月3日 13時
