55:図星 ページ22
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顔をまた覆った両手のなかで、カズがこらえるように笑う。
それから。
口角をゆっくりあげて微笑んだ、その唇で
静かに、私の名前を・・・探すように呼んだ。
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和「A」
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和「俺のこと、好きだろ」
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・・・・・・・・・・。
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和「・・・ビンゴ(笑)」
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息が、できない。
声も、出せない。
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情けなさを倍増させた私の顔を、カズはじっと見つめていた。
横に逃げようとする顔を、指先で戻されては
私がどうするのかを楽しむようにただ、しばらく見つめていた。
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違う、と言うにはタイミングは遅すぎて。
見えるのは終わりとサヨナラの言葉だと
覚悟を決めて、やっと深く息を吸った私の決心を。
ニヤリと笑ったカズの両手が、一瞬で消し去った。
膝の上で握りしめた私の両手を、カズの両手が包む。
震えの止まらない両手をぎゅぅっと掴まれたら
不思議と心が落ち着いて・・・やがて震えは止まった。
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「カズ・・・」
和「はいよ(笑)」
「ごめん・・なさい」
和「何が」
「・・・あたし・・出てくから。だから」
めんどくさい女が、さらにめんどくさい感情を抱くなんて。
迷惑と呆れられる前に、できるなら今すぐここから逃げ出したい。
それなのに
カズは握りしめた両手をぐっと引き寄せてから
その透き通るように白い額を、私の額に押し当てた。
和「お前さ、どこまでバカなの」
「・・・・・」
和「わかんねぇかな、この距離感」
「・・・・・近・・い」
和「じゃなくて(笑)」
「・・・・・」
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和「A」
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名前を呼ばれたのは、これで３度目だと
どこかでふんわり思う。
聞いたこともない甘い声に、心が痺れて動けない。
好き、が
体中から溢れ出していく。
恥ずかしくて切なくて瞼を閉じた
次の瞬間。
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引き寄せる、その腕の力強さ。
首の後ろに回された手の温もり。
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カズの乾いた唇が、私の唇に重なった。
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にゃんこ?(プロフ) - わー、もうすきです。何回読んでも泣けます。感動作です。大好きです。 (2015年10月24日 23時) (
レス) id: 7cd6255155 (このIDを非表示/違反報告)
キィ(プロフ) - ものすごくいいです( ;o; ) (2014年12月31日 12時) (レス) id: a8abba2e9b (このIDを非表示/違反報告)
しゃむ(プロフ) - やばいっ// (2013年12月29日 20時) (レス) id: 62a7618415 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃ - にの、やばいwwめっちゃかっこよす(^o^)/ (2013年12月29日 2時) (レス) id: 20a30ec314 (このIDを非表示/違反報告)
Seira(プロフ) - 綾香嵐さん» とんでもなく遅いレスでごめんなさい（泣）コメント欄に気づかずとはいえ失礼いたしました（´pωq）続きも読んでいただけたなら嬉しいです…♪泣いてもらえて感謝カンゲキ(*´∀`)♪ありがとうー☆ (2013年10月25日 1時) (レス) id: 6e5f42385e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Seira
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/seiralist/
作成日時：2013年1月27日 21時
