恋する理由【Nino】 (ページ26)

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26:ブランケットページ26

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「ちょっとそれじゃあたしはみ出ちゃう」

和「入れてもらってんだから遠慮しろや」

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テーブルの下で、ひざ掛け代わりのブランケットを奪い合う。

大きいから二人余裕で入れるはずが、隣のカズはわざとひっぱっていじわるする。

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和「で、これいつまで見んの」

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あらかた食べて、ほとんど空になったお重を覗いてカズが言う。

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「もうちょっと・・て・・・あ、ほら！カズだ(笑)！」

和「自分が牛のゲップに悶える映像をみる元日・・・」

「だってあたし嵐の番組見たことなくってあんまり。だから録画しておいたの♪」

和「だったらコンサートの見るとかそっちにすりゃいいだろうよ・・・」

「え、見せてくれるの？」

和「あーでもなぁ。いや、見ちゃったらなぁ～」

「なに？」

和「やばいよ、たぶん」

「やばい？」

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和「俺に惚れちゃうぜっ☆」

「・・・・・」

和「・・・・・」

「ねぇこの牛、ビニールかぶせられていやじゃなかったのかなぁ」

和「・・・かぶってみればわかんじゃねぇの？」

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よっこらせ、と声を上げてカズは隣で寝ころぶ。

また引っ張られたブランケットを引き寄せながら、私は画面の中のカズに笑う。

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笑うたびに、ブランケットの中でカズが私を蹴飛ばす。

眠い眠いといいながら、カズは私の隣から動かなかった。

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「カズ」

和「あぁ？」

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TVの画面を見つめたまま、聞きたかったことを聞いてみようと。

今ならうまく聞けそうな気がして、息を一つ吸った。

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