恋する理由【Nino】 (ページ17)

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17:気になることページ17

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和「おっ、においだけはうまそーじゃん」

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かわいげのない言葉で、私のおかえりなさいをかき消す。

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和「気持ちわりぃメール送ってくるから、遅く帰りたかったんだけどさ。
うっかりだよね。時間通りに帰ってきちゃう優しい俺♪」

「・・・気になさらずごゆっくりされたらよろしいのに」

和「・・・寂しかったとか言えや」

「いいえ、これっぽっちも」

和「泣きながらゲロ吐いたくせに」

「・・・・・記憶が、ございません」

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和「・・・・・男にボロッカスに捨てられた記憶も？」

「・・・・・・・・・っ」

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くくって、またバカにした笑いを浮かべたとき

インターホンが鳴り、カズが怪訝な顔して出た。

焼き続けるハンバーグの匂いは、自分で言うのもなんだけどおいしそう。

一緒に食べようかと待っていたからお腹はぐぅぐぅ限界だ。

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和「俺、風呂いってくるから」

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応答を終えたらしいカズが、ため息つきながら振り向く。

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「どうぞ？」

和「来たら入れてやって」

「・・・誰を？」

和「お前と気が合いそうな同類」

「・・・だから誰？」

和「もてなす必要はねぇから。待たせといて」

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そう言い残してバスルームに消えていく。

いやいやいや。

同類って何。

じゃなくて。

気が合う云々よりも、私がいていいの？

出迎えちゃっていいの？

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あぁ。

そっか、事情をもう知ってる友達か何かなのかな。

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どんな立ち位置でここにいるのかまだわからない私は

カズに何と思われて・・・どう言われてるんだろう。

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・・・・・

どうして私を

助けてくれたんだろう。

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ずっとそれが心の奥で気になっていた。

救いようのないバカを、どうしてカズみたいな

”一応”スーパーアイドルが相手にしてくれたのかなって

気になったまま、黙々とハンバーグを焼きつづけた。

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