【恋うた】Disc 1 (ページ14)

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(Daiki side•26歳真夏)

「……ふっ、ふふ、…」

「ひかぁ―有岡また気持ち悪い笑い方してる―」

「ああ、そんなのほっとけ。どうせまたKさんのこと考えてるから」

「キモくて無理―どうにかして―」

「おい山田ぁ！聞こえてっからな！！」

「あれ？生きてるんだちょうどいいブスさん―」

「テメェ！！もっかい言ってみろ！！」
こぶしを飛ばしたけど山田に軽々と避けられた。

「食事中は集中しろよおめぇら！料理に失礼だろ！」
ポコっと光に頭を叩かれて、自分がまだスプーンを握ってることに気づいた。

やべぇ！あと10分でシフト始まるじゃん！！
早くかき込まなきゃ…！！

「うっわ、食べ方ゴリラじゃん、圭人よりゴリラ！」

「やまちゃんひどーい！圭人ゴリラじゃないよ～」ずっと黙ってホールの掃除をやってた圭人はつい山田の暴言に反応した。「光くん、テーブル全部拭いたよ！」

「ありがとーテキパキやったねゴリラのくせに」

“ﾌﾞﾌｫ！”

「おい！！汚ねえなお前！！」

圭人の“だからゴリラじゃないってば！！”って抗議は、俺が噎せたのと山田の大声に遮られた。

「ねえねえ、Kさんって誰？」

「えっ、圭人知らないの？！こんなキモい有岡と週4ぐらい会ってるのに？？」

「おい！キモいキモいって言いすぎだろ！！」

「こいつ先月髪切ったじゃん？その時の美容師さんだよ、Kさんは。」光はカウンターでコップを拭きながら説明した。「変わった名前だよね？Kさんって、事件の被害者かっつーの」

…みんなが爆笑するのを無視だ、無視。

「へぇ～なになに？大ちゃん恋に落ちちゃったって感じ？」

「らしいよ～もうさいい年して一目惚れなんて、まじ笑っちゃうよな！」

「そんなことないよ！初々しくて可愛いじゃん！」

「やめろやめろ！世界一可愛いって言葉に似合わねえ男だぞあいつ！」

イメチェンの評判はいいものの、この一ヶ月の間、俺はずっとこうやってからかわれている。
自分が一目惚れしたこと自体はすんなりと受け入れたけど、ぶっちゃけこいつらに言ってしまったのは本気で後悔してる。

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