【恋うた】Disc 2

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「だいぶ楽になったよ。まだ熱あるけど」

『そっか、薬ちゃんと飲んで、早く治そうね』

「うん。弁当、うまかったよ、わざわざありがとう」

『ふふ、いいえ、いのちゃんが食べてくれて嬉しいよ〜』


うまく説明できないけど、光の声を聞くと、ほっとする。



『あ、プレゼントもらったよ！スニーカーお揃いだって？デザインめっちゃかっこいいじゃん！』

「かっこいいだろう？俺が選んだもん。お揃いは青春野郎のアイデアだけどね」

『ぷは、なるほど、薮らしいっちゃらしいね』


光のために買った白いスニーカー。見てるうちに薮も俺も気に入って、結局同じものを3足買っちゃって。

靴紐を色違いにしようって話になって、光には黄色、薮にはライトグリーン、俺には青色で決めたのは、二週間前の出来事。



『いのちゃんが治ったら、3人でこの靴で出かけようね』

「うん、いいね」

『それと、レコードもありがとう！超レア物でびっくりした！よく見つけたね！』
急に興奮してきた光が言ってることに、ついていけてない。


レコード…？
そんなの買った記憶ないけど…



『いのちゃん？聞こえる？』

「…聞こえるよ。気に入ってくれてよかった」

『ほんとありがとう。いのちゃん疲れちゃったかな？休んでいきな？』

「うん…誕生日、おめでとう」

『ありがとう。おやすみ』




「ちゃんとお礼言えた？」携帯を切ってすぐ、片付けを終わらせた薮が薬と水を持ってきた。「どした？ボーとして…具合悪い？」


「…何で言わなかったの？」

「え？何のこと？」

「レコード…」
この単語を聞いた途端、薮の表情が少し変わった。


「光に言えばいいじゃん、個人名義のプレゼントだって」

「いや、べつに言わなくても…一緒に渡すのに変じゃ「…告った？」


俺の衝動的な発言に驚いたのか、一瞬固まった薮はブフッて吹き出した。


「何言ってんだよ…お前、熱で頭おかしくなってねえ？」

「はぐらかしても無駄だよ」

「……」


ほら、否定もしない。







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