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修学旅行が終わり、長いはずの夏休みが塾で埋まりあっという間に過ぎた9月前半の頃。
ついこの前まで暑かったはずだった。
『寒いなぁ、今日』
そう言ってしまうくらいの気温だった。
松村｢分かる。今日めっちゃ寒くない？｣
秋。冬になりかけの、でもちょっと暖かくて、日陰に入ると肌寒い、好きじゃない季節。
何を着ればいいのか分からない謎の期間。
なんて思ってたら後ろから半袖のシャツから長袖のシャツに衣替えをした貴方が顔を覗かせた。
下駄箱で靴を履き替えながらあくびを噛み殺す貴方。
『肌寒いよね、最近』
松村｢ね。私服の服装とか迷うもん｣
気だるそうに答えた貴方に、胸がチクリと痛み、そういえば去年の今頃、貴方から笑顔が消え始めてたんだっけ。
今、貴方はどんな事で笑うんだろ。
松村｢そういえば、今日席替えって櫻井先生言ってた｣
『あぁ忘れてた』
松村｢なんか1部の女子達がうるさいからって今回は先生が決めるらしいよ｣
『あ、そうなんだ？』
…とか言ってもうるさいのは私じゃないしなぁ、美波と私は隅っこの方で大人しくしてるタイプなのに。
うるさい人たちのせいでまとめられるの嫌だ。
まぁ前の席じゃないといいな。って思って、何故か松村くんと並んで話しながら教室に向かってる。
松村｢席近くなるといいね｣
『…うん。席近くなったら楽しそう』
ね。って笑う松村くんを横目で見て教室に入る。
どういう意図で言ったのか、未だに分からないよ。
『あ、美波おはよ！』
美波｢おはようA！｣
朝早く起きて勉強するって言ってたから一緒に行かなかったんだよね。
松村｢席替え、楽しみだね｣
『うん』
そんな会話をして自分達の席に行った私たち。
それが思い出になった今、悲しくて、苦しくて。
なんでこの時こんなこと言ったんだろう、とか、どんな意味があったんだろうっていう、悲しい気持ちしか無いの。
思い出って言葉は楽だなって思う。
悲しいこと、嬉しいこと、辛いこと、苦しいこと、楽しいこと、全部1つにまとめられるから。
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つばさ(プロフ) - 今、こういった低評価で悩まされてる作者様が増えています。とても面白いのであまり気にせず更新して欲しいです。ちなみに７つめの原石…も読ませて貰ってます！七瀬様のペースでご無理なく！ (2021年9月3日 16時) (
レス) id: a84a28701a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七瀬
| 作成日時：2021年9月3日 0時
