・ 017 ページ20
.
10月も、もう終わる。そんな時期のこと。
松村｢まだ終わんないの？｣
どうしてこうなった。本当に。
暑くなんかないのに冷や汗が流れてきてワイシャツが気持ち悪い。
今日提出期限のレポートを家に忘れて、取りに行かされると思ったのにまさかの学校で書き直せと言われて今焦ってる。
非常にめんどくさいうえに、目の前の人のせいで謎に焦ってる。
『え、ねぇなんで松村くんがいるの？しかもまだ終わらないよ？あと7ページも残ってるんだもん。』
松村｢そのノート今日出さなきゃ俺も点数落とすから待ってるだけだよ。｣
『何回も一応言ったけどもう1回言うね？私が提出するから帰っていいよ？』
松村｢いいから、早く書きな？｣
そんなに信用ないのかなぁ。って思いながらシャーペンの速度を早める。
でも、貸してくれたの優しいなぁ。
困ってたらサッと自分のノート渡して、書き写しなって。ほんと、優しくてびっくりしちゃう。
松村｢深澤さんって綺麗な字書くね｣
『…そんなに見られるとやりづらいんだけど』
松村｢俺なんもすることなくて暇なのよ｣
もう、ほんっとにやりづらいのに。
松村｢なんか深澤さん冷たい。｣
悲しい、寂しい、酷い。って呟きながらカバンの中を漁り始めた松村くん。
しばらく漁って楽しそうに笑っ松村くんはこっちを見た。
松村｢ね、目、閉じて？｣
『え？なんで』
松村｢いいから。目、閉じて？｣
言われた通りに目を閉じる。
松村｢口、開けて｣
えっ、って怯む。なんか怖い。何されるんだろう。
恐る恐る口を開ければいい子。なんて声が聞こえた。
次の瞬間、ポンと中に放り込まれた小さな丸い個体。
驚いて口を閉じて目を開く。口の中でカラコロと鳴る軽快な音。
途端、シュワシュワと炭酸のような泡が弾けて口の中いっぱいに甘い香りが広がった。
『っ、？！』
松村｢美味しいっしょ｣
目の前を見ればドヤ顔でこっちを見てる松村くんと目が合う。
『…学校、お菓子禁止じゃん』
松村｢それ言っちゃう？笑｣
『いやいや、飴じゃんこれ…』
松村｢んー、糖分補給ってことにしよ｣
意味わかんないなぁって口の中の飴玉を転がす。
松村くんも同じものを取り出して自分の口の中に放り込んだ。
松村｢ま、バレたら共犯ってことで｣
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 392人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
つばさ(プロフ) - 今、こういった低評価で悩まされてる作者様が増えています。とても面白いのであまり気にせず更新して欲しいです。ちなみに７つめの原石…も読ませて貰ってます！七瀬様のペースでご無理なく！ (2021年9月3日 16時) (
レス) id: a84a28701a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：七瀬
| 作成日時：2021年9月3日 0時
