【CS】我ら空木高校栄進クラス〜蒲生美武〜

番外話 南部利直との出会い ページ12

兄ちゃんがお家にお客様を連れて来た


「南部利直です。君のことは常々 氏郷から伺っているよ、よろしくね」

「……あ、はい…よろしくお願いします…」


ぎこちない…とアタシも思う。いつもの気が緩んだような言い方が出来ない
なんだろうこれ…恐怖に近いような、近くないような…


「…？どうしたんだろうね。美武ちゃん」

「さぁ？…おい、美武！」

「……ん？なぁに？」

「美武…どうした？もしかして利直に惚れたのか〜？」

「え〜？違うよぉ〜、兄ちゃんが家に人を連れて来るの初めてだから少し見てただけだよぉ〜」

「そうかそうか！あ、そうだ！せっかくだから三人で遊ぼうぜ？俺、部屋からなんか取って来るよ。その間に二人でなんか話してて〜 じゃ」

「え？兄ちゃん…」

「…美武ちゃん」

「…？なんですかっ……！？…ふぇ〜？？」


南部さんはアタシの頬を掴んで強制的に向かせられた


「なっ、なぜぇ…？」

「いや…可愛いなぁ、って」

「ふぇ、ふぇ！？」

「ねぇ、美武ちゃん…ボクはね。ずっと君に会いたかったんだ」

「ふぁ？」

「氏郷から話は伺っていると言っただろう？氏郷が君の話ばかりするから気になってね」

「ふぇ〜…」

「可愛いね。ねぇ…ボクのモノになってよ」

「ふぁ〜っ！？なへぇ！？」

「可愛いから」

「ちょ……っ、ん〜〜にっ！…ぷへぁっ！なんでぇ〜！？なっ、なぁ〜？！」



…モノ？へっ？モノ！？え、いやいや…なるわけ無いってぇ〜！
それにっ、可愛いから！？え？はっ！？

考えれば考えるほど分かんなくなって来た。それと同時になぜか顔が熱いっ！
照れてるの！？は…え！？南部さん！？はぁっ！？



「赤面も可愛いね。ねぇ…ボクと付き合ってよ」

「はっ？…はいぃ〜？は、ん？アタシに言いましたカ？！」

「うん」

「いっ、嫌ですぅ〜！なんでぇ！？こっ、怖いぃっ！」

「あははっ！気に入ったよ……絶対ボクのモノにするから」

「ひぃん…兄ちゃぁ〜んっ！この人こわぁいっ！」


──────────────────


そして三人で遊んで数時間…南部さんはもう帰るらしい。良かったぁ…やっと帰る…


「じゃあね氏郷、美武ちゃんもバイバイ。また会おうね」

「じゃあな〜、利直！また遊び誘ってやるから来いよ〜！」

「……兄ちゃん、南部さんを遊びに誘うときはアタシがいない時に誘ってね」

「…は？…あ〜、まぁ…分かった！」


そんな忠告も虚しく、また南部さんを連れて来たのは別の話……

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