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夜の暗さは、まるで心の中をそのままそっくり映しているみたいだ。

「…ヤス」

「んー?」

「俺さ、亮ちゃんってすごいと思うねん」

「うん」

「人気があって、テレビとかにも出てて、舞台にもたくさん上がってて。色んな人に好かれとる」

「確かになあ」

「その分、辛い思いとか苦労してるのも分かる。努力してることも知っとる。だから、憧れる…けどな、けど…」

ヤスは俺をじっと見つめる。
拳を握りしめて、ゆっくりと息を吐き出す。

「…それがどうしようもなく、憎いねん。自分との差に、絶望すんねん」


分かっとる。
亮ちゃんは何も悪くない。
誰も悪くない。

悪いのは、勝手に比べて勝手に嫉妬してる自分だけ。

憧れと、尊敬と、嫉妬が入り混じって濁った感情が溢れて、もう限界すれすれ。
なんて不毛なんやろう。


ヤスは少し間を置いてから、怒りも呆れも同情もない、いつもの間伸びした声で
そっかぁ、と言った。

「おーくらは、たくさんの熱を抱え込んでんやな」

「…熱?」


「やる気っていうんかな。熱が沢山あんのに、それの出し方が分からんから身体ん中ぐるぐる回っとる、みたいな」

「…それ、1番ダサいやん」

「ダサくなんか、あらへんよ。なんとなく毎日を過ごしてる奴よりも、何かと戦ってる奴の方が何倍もかっこいいに決まってる」

優しく微笑む顔が、すべてを包み込むような声が優しくて、溶けていく。

「…ヤス」

「んー?」

「オレンジジュース、余計喉乾くわ」

「まじか」

涼しい風が、前髪を揺らした。









「大倉くん」

鈴のような控えめで透き通る声で名前を呼ばれるのは、嫌いじゃない。

目の前で日誌を書いている彼女は、すこし怪訝な顔で俺を見つめる。

「あんま書いてるとこジロジロみないでよ」

「なんで」

「恥ずかしいじゃん」

「達筆なんやな」

悪かったね、かわいい字じゃなくて!と、むくれて隠す仕草をされると、余計からかいたくなる心理は、女の子には分からへんのやろか。


放課後、ほとんど人がいなくなった教室は今日も西日が強い。
寝起きの目には染みるくらいだ。

…今日も6限までぐっすり寝てしまった。
テストも近いことやし、近々ノートを写さしてもらおう。

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設定キーワード:関ジャニ∞ , 大倉忠義 , 錦戸亮   
作品ジャンル:恋愛
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あくび(プロフ) - ゆらさん» ありがとうございます!とっても嬉しいです。これからも面白いと思ってもらえるよう、頑張って更新しますので是非、結末がどうなるか見届けてください(^^) (11月2日 23時) (レス) id: 780a2f1a45 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - この話が本当に面白くて毎日の日課です^^これからも更新楽しみにしています!!私的には大倉くんで結末があるほうがさらに楽しみです(^^) (11月2日 20時) (レス) id: cc42456779 (このIDを非表示/違反報告)
あくび(プロフ) - megumonkeyさん» はじめまして、とても嬉しいお言葉ありがとうございます(TT)結末は決まっていて、それに向かってチマチマと書いているので、是非これからも更新楽しみにしていてください。 (10月30日 22時) (レス) id: 780a2f1a45 (このIDを非表示/違反報告)
megumonkey(プロフ) - はじめまして。ステキなお話で楽しみに読んでます。大倉くんと錦戸くん、どちらとくっついてしまうのかドキドキで、更新が楽しみです (10月30日 10時) (レス) id: fa40db60d7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あくび | 作成日時:2020年10月27日 22時

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