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青春にさよならを ページ14

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ぐずぐずと鼻をすするたびに
錦戸亮は黙ってティッシュ箱を目の前に差し出してくれる。

その手が大きくて綺麗で
指の先まで美しく作られてるんだな、なんて
ぼーっとした頭で考えていた。


「落ち着いたか?」

「…ずびばぜん」

「なに言っとるか分からんわ」


錦戸亮は肩をすくめてソファーに腰掛ける。
柔軟剤のいい香りがふわりと漂った。



年甲斐もなく、声を上げて泣いてしまったことが
今になって猛烈に恥ずかしくなってきて
顔に血がのぼっていくのを感じた。


大泣きする私にオロオロとしていた錦戸亮は
「あーもう、泣くなや面倒くさい!」とかなんとか文句を言いながらも、ずっと寄り添ってくれていた。

それは今この瞬間も、同じで。


「あんま目ぇこするなよ。腫れるから」

「…はい」

「ぶさいくやなあ」

笑う錦戸亮に、思いっきり肩パンをくらわすと
「そんな顔の犬、おるよな」なんて言いながらまた笑った。
不器用で口の悪い優しさだ。
だけどそれがとても心地いい。



「アイス買ってきたんやけど、いる?」

「何味ですか?」

「バニラとチョコ」

「どっちも大好きです」

「じゃあお前バニラな」


2人でカップのアイスを食べながら
他愛もない話が、なんの脈絡もなく続く。

錦戸亮は涙の理由を聞いてこない。
そういう気遣いができる人だということが意外だった。

訳わかんなくなるくらいゴチャゴチャしていた心も体も、アイスのひんやりとしたちょうど良い冷たさで落ち着きを取り戻していく。



「錦戸さんは、どうして今日私を呼んでくれたんですか?」

錦戸亮はすこし眉を下げて
困ってるような顔で笑った。



「今回のコンサートな、俺らのグループではじめてのドームツアーやってん。だからどうしても、お前に見て欲しかった」


そうだったんですか、とか
おめでとうございます、とか
ありがとうございます、とか。

いくらでもかける言葉はあるはずなのに
なんだか何も返事ができなくて
代わりにアイスを一口食べた。



バニラは甘くて、すこししょっぱかった。

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設定キーワード:関ジャニ∞ , 大倉忠義 , 錦戸亮   
作品ジャンル:恋愛
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あくび(プロフ) - ゆらさん» ありがとうございます!とっても嬉しいです。これからも面白いと思ってもらえるよう、頑張って更新しますので是非、結末がどうなるか見届けてください(^^) (11月2日 23時) (レス) id: 780a2f1a45 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - この話が本当に面白くて毎日の日課です^^これからも更新楽しみにしています!!私的には大倉くんで結末があるほうがさらに楽しみです(^^) (11月2日 20時) (レス) id: cc42456779 (このIDを非表示/違反報告)
あくび(プロフ) - megumonkeyさん» はじめまして、とても嬉しいお言葉ありがとうございます(TT)結末は決まっていて、それに向かってチマチマと書いているので、是非これからも更新楽しみにしていてください。 (10月30日 22時) (レス) id: 780a2f1a45 (このIDを非表示/違反報告)
megumonkey(プロフ) - はじめまして。ステキなお話で楽しみに読んでます。大倉くんと錦戸くん、どちらとくっついてしまうのかドキドキで、更新が楽しみです (10月30日 10時) (レス) id: fa40db60d7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あくび | 作成日時:2020年10月27日 22時

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