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幻想。思い出の美化。
ぐるぐると毒のように回る。


大倉くんはちらりと私を見ると


「…もう、いい加減目ぇ覚ませや」


それだけ言って、楽屋を出て行った。


シンとした静けさだけが残る。

錦戸亮は私を見て
それから今しがた大倉くんが出て行った扉を見て


私の目の前にゆっくりと来て、私と同じ目線までしゃがみ込む。


「なぁ、大倉と知り合いやったん?」


錦戸亮の大きな瞳は、黒い。
思わず視線を下に落とす。


「どうしたん。何があったん」


幻想。思い出の美化。
それだけの言葉で片付けられてしまう私の10年間ってなんだったんだろう。



「黙ってたら分からんやんか」



私の眩しいほどの青春は
別れの言葉もなく目の前から消えた。
私の気持ちは、きちんと終わらせてさえもらえなかった。
だからあのときから、ずっと止まったままだ。
もうずっと、ぐるぐると同じ場所を辿っているだけ。




「おい、聞こえとるんか?下向くなや」



『いい加減目ぇ覚ませや』


……ふざけんな。



「…おい、なんか言えって!」


「ふざけんな!!」

ビクっと肩を揺らす錦戸亮の肩が視界に入った。



「お、おい…?」

「なんなの、勝手なことばっかり言って!!私が今までどんな気持ちでいたか知らないくせに!!」

「ちょ、落ち着けって」

「むかつく!!ほんとにむかつく!!」

一度溢れ出た思いは
とどまることを知らず、決壊したダムのようにごうごうと荒れ狂う。

「なぁ、とりあえず顔上げ…」

錦戸亮はオロオロとしながら
私の顔を覗き込み、目を見開いた。


「…お前、なんで泣いてるん?」


その声が、なんだかとても優しくて。
ぼたぼたと大粒の涙が自分の拳へと落ちていく。


「…うっ、うぅぅ〜〜!!ばかぁ〜〜〜!」


気がつけば、私は声を出して泣いていた。
錦戸亮が眉を下げ、うろたえてる。
困らせてる。はやく泣き止まなきゃ。
そう思っているのに、頬を濡らす涙は止まらなかった。

青春にさよならを→←.



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設定キーワード:関ジャニ∞ , 大倉忠義 , 錦戸亮   
作品ジャンル:恋愛
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あくび(プロフ) - ゆらさん» ありがとうございます!とっても嬉しいです。これからも面白いと思ってもらえるよう、頑張って更新しますので是非、結末がどうなるか見届けてください(^^) (11月2日 23時) (レス) id: 780a2f1a45 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - この話が本当に面白くて毎日の日課です^^これからも更新楽しみにしています!!私的には大倉くんで結末があるほうがさらに楽しみです(^^) (11月2日 20時) (レス) id: cc42456779 (このIDを非表示/違反報告)
あくび(プロフ) - megumonkeyさん» はじめまして、とても嬉しいお言葉ありがとうございます(TT)結末は決まっていて、それに向かってチマチマと書いているので、是非これからも更新楽しみにしていてください。 (10月30日 22時) (レス) id: 780a2f1a45 (このIDを非表示/違反報告)
megumonkey(プロフ) - はじめまして。ステキなお話で楽しみに読んでます。大倉くんと錦戸くん、どちらとくっついてしまうのかドキドキで、更新が楽しみです (10月30日 10時) (レス) id: fa40db60d7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あくび | 作成日時:2020年10月27日 22時

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